【2023プレナスなでしこリーグ2部 第5節~試合結果~】VS ヴィアティン三重レディース

いつもFCふじざくら山梨へご声援頂きまして誠にありがとうございます。
4月30日に行われた2023プレナスなでしこリーグ2部第5節のヴィアティン三重レディースの試合結果をお伝えいたします。

≪2023プレナスなでしこリーグ2部第5節~結果~≫
~富士吉田市Thanks Day~
(45分ハーフ)
FCふじざくら山梨 1-0 ヴィアティン三重レディース
-前半 0-0
-後半 1-0
(得点)
64分 脇田紗弥
(観客)
351人

≪スターティングメンバー≫
GK 出口春奈
DF 濱名花子 加村ななみ 高山紗希 中村友香
MF 菅百花 脇田紗弥 田中里穂 金井奈苗 辻野友実子
FW 鈴木和遥

(途中出場)
66分 OUT16 辻野友実子 → IN4 小鍛冶旭
85分 OUT13 鈴木和遥 → IN19 広沢実佳子
87分 OUT9 金井奈苗 → IN2 須田胡桃

【今節の振り返り~マッチレポート】

(レポート:伊藤千梅)
今シーズン、未だ勝利がないまま迎えた第5節。先週の試合では、試合終了間際で意地を見せ、アウェイ福岡の地から勝ち点を持ち帰りました。
その勢いのままに、本日は山梨の地での初勝利を目指します。

会場前で行われたのは、馬やポニーと触れ合える「ふじざくらパーク」。
ふじざくらパークは、富士吉田市の小室浅間神社にある馬力屋を運営する「株式会社ナックス」さんご協力のもと開催。小室浅間神社に伝わる伝統の神事「流鏑馬祭」は800年以上の歴史があり、馬は人々の暮らしにも欠かせない存在として大切にされてきました。このように富士吉田市では、馬が文化として深く地域に根ざしています。

FCふじざくら山梨の本拠地である富士吉田市は、令和3年10月10日に日本で初めて「転倒予防都市宣言 」を行った都市です。人生100年時代となった今、転倒に負けない体づくりを推進し、子どもからシニアの方々まで、いきいきと過ごせるまちを目指しています。

そんな地元、富士吉田市の取り組みを一緒に盛り上げようと、本日は「ふじざくらシニアDay」を実施。おじいちゃんおばあちゃん限定の特典として、FCふじざくら山梨ストラップをプレゼントしました。

また、試合前には、おじいちゃんおばあちゃんが選手と一緒に入場をする「エスコートシニア」が行われました。出口選手のおばあちゃんも参加。その他のおばあちゃん方も、選手たちとにこやかに話しをしながら、ゆっくりとピッチへと入場しました。退場する際には、スタッフからの「選手かと思いましたよ」の一言に、一斉に楽しそうな笑い声をあげていました。

本日対戦するのは、2022年のなでしこリーグ入れ替え戦で0-1と敗戦を喫した相手、ヴィアティン三重レディース。先週は首位を走るチームとの対戦でも無失点に抑え、今シーズンはここまで無敗。守りの硬い相手に対し、得点の糸口を見つけられるかがポイントになります。昨季までFCふじざくら山梨に在籍していた戎谷亜美選手もスタメンに名を連ね、試合前には脇田選手とハイタッチを交わしてからピッチに入場しました。

小雨が降るグラウンドに、キックオフの笛がなり響きました。
立ち上がりチャンスを作ったのは、FCふじざくら山梨。右サイドからのクロスに、本日スタメンのFW鈴木がトリッキーなシュートをみせ、開始早々観客席が沸き立ちました。前半7分には、辻野のロングスローから、コーナーキックを獲得。中村のキックに、ファーに走り込んだ田中が合わせますが、相手DFのブロックに阻まれます。

直後に与えた相手のフリーキックでは、ボールがキーパーの前で大きくバウンド。出口がパンチングで弾き出しました。

前半が進むにつれ雨が強まると、芝生の状態が大きく変化。普段よりもボールが伸びることから、両者共にボールロストが増え、思うようにボールをつなぐことができません。

味方の足元にボールをつけ、丁寧につないでいきたいFCふじざくら山梨。
25分にはDFラインから、菅、脇田と中盤を経由し、最後は大外を走り込んだサイドバックの濱名にボールをつけますが惜しくもオフサイド。その後も活発なサイドチェンジから攻撃を仕掛けますが、最後の1本がつながらず、シュートまで運べないシーンが続きます。

前半終了間際、中盤からのサイドへのパスを、菅がスルーで流します。背後を走り込んだ濱名がセンタリングをあげますが、大きく頭上を越えていきました。
ピッチコンディションの変化に苦戦した選手たちは、大きな決定機を見出せないまま、前半の45分を終えました。

後半も雨が降ったり止んだりする中、試合が進みます。
良い形での攻撃は見せるものの、シュートが遠いFCふじざくら山梨。一方守備では、高山、加村のセンターバックを中心に、隙のない守りで相手の決定機をつぶします。前線の鈴木もプレスバックで守備に参加し、相手に良いリズムを作らせません。

拮抗した試合が動いたのは、後半17分。
中盤の田中からピッチ中央でボールを受けた脇田は、自ら前を向くとペナルティエリア外からロングシュートを放ちます。ボールは相手キーパーの頭上をこえ、ゴールネットを揺らしました。待望の先制点に、会場は大盛り上がり。初勝利への期待が高まります。

得点後、相手に攻め込まれる時間帯が続く中、小鍛冶を左サイドへ投入。サイドライン上を献身的に走り、攻守において前半から出場する選手たちを引っ張ります。

後半残り15分には、中盤で相手を弾き飛ばした金井のディフェンスに、観客席からどよめきがおきます。その後も、相手からの怒涛の攻撃を受けますが、相手左サイドへの背後を狙ったボールは、加村が落ち着いて対応。個人技のある相手に対しては、複数人で相手を囲むことで確実にボールを奪い切ります。

試合終盤に、前線の広沢、移籍後初出場となったDF須田が立て続けにピッチに立つと、FCふじざくら山梨はDFラインを5バックに変更。守備を固めると、直後に放り込まれた相手のクロスに対し、マッチアップの選手の前に体を入れた高山が、ヘディングで必死のクリアをみせました。

1点をリードしたまま迎えたアディショナルタイムは3分。
勝利を目前に、相手へコーナーキックのチャンスを与えてしまいます。観客席では、ゴール裏の応援に合わせて自然と手拍子が起こり始める中、相手のキックは、小鍛冶がニアで弾きました。
しかし、相手はキーパーまで攻撃に参加。怒涛の攻撃により、再びコーナーに。
相手が蹴り込んだ2度目のコーナーキックがゴールラインを割り、ふじざくらのボールになると、観客は胸をなでおろしました。

出口がゴールキックを蹴ると同時に、1点リードのまま試合終了。
ホイッスルが鳴ると、観客席にまで広がっていた手拍子は大きな拍手に変わりました。ベンチにいたメンバーはピッチに駆け込み、ピッチのメンバーとハイタッチで喜びを分かち合いました。

ヒロインインタビューは、決勝ゴールを決めた脇田選手。観客席に向かって「ありがとうございます!やったー!」と声を張り上げ、会場を盛り上げました。勝利の喜びと、サポーターの皆さまの温かい応援に感謝を伝え、最後は「大好きです!」と締めくくりました。

また、キャプテンの田中選手は、今日なんとしても、山梨県で勝ちたかった思いを吐露。そのうえで「ここからが勝負。みなさんの応援を原動力にがんばります」と、早速連勝への意欲をみせました。

本日はお足元の悪い中351名の方にご来場いただきありがとうございました。
最後まで1点を守り抜いたFCふじざくら山梨は、本日、歴史に残るなでしこリーグ初勝利を飾ることができました。この勝利は、ここまで応援し続けてくださった皆さまの声援があったからこそ、掴むことができたものです。心から感謝申し上げます。

次節は5月7日(日) 13:00から、富士山の銘水スタジアムで、岡山湯郷Belleとの対戦です。来週も皆さまと勝利を分かち合いたい!GW最終日は、FCふじざくら山梨の試合で締めくくりましょう!引き続きご声援のほどよろしくお願いいたします。

以下、渡辺海監督、出口春奈選手、脇田紗弥選手のコメントになります。

渡辺海監督

Q)試合を振り返って
この勝利のためにずっと準備してきました。それが報われるではないですけど、自分たちが求める成果を得るために努力してきたことが実って、本当に安心しています。マインドの問題も含めて、自分たちがなでしこリーグ2部で勝つためには、このくらい必要なんだというものを、毎節自分たちは経験してきました。ようやくそういったものが成果につながったのを感じています。
得点シーンについては、特段選手に対してそういったプレーを求めていたわけではありません。けれども、自分の感覚を信じるというところで、あの選択肢は間違いではないですし、戦術的に用意してきたものと合わせて、あのような得点が生まれたことは良かったと思います。
欲を言えば最後まで自分たちでゲームを支配したいところではありましたが、疲弊している選手たちの状況からみて、最後は闘い方を変えることで1点をつなぎ合わせることが、自分に求められる仕事でした。そういった部分では、選手が戦術の変化に対してよく対応してくれたなと思います。

Q)サポーターの皆様に一言
本当にずっと、どんなときでも待ってくれている人がいるということを、実感しながら競技に集中していました。自分たちがブレずに闘えたのは、間違いなくその人たちの温かみがあるおかげだと思っています。勝とうが負けようが、見守りながら強い思いを持って接してくれるみなさんに感謝しています。これからも、我々は感動を届ける側ではありますが、一緒に、この感動を作っていきたいと思っています。

Q)来週の試合に向けて
チームとしても、この勝ちをどう捉えるかです。ただ目の前の一戦に勝っただけでは満足しないし、この先連続した勝利を、ここにいる観客の皆さん、山梨県のみなさんに届けるのが自分たちの使命です。勝つために必要なマインドは理解したと思うので、あとはそれをどれだけ定着させられるかを、チームとしては求めていく。さらに競争を激しくすることで、リーグ上位に食い込んでいくことを、チームとして狙っていきたい。そう思います。

出口春奈

Q)今日の試合を振り返って
ものすごく難しい試合になるのは、スタッフがしてくれていたスカウティングをみて感じていました。守備がしっかりと構成されているチームだよっていうのも聞いていたので。それでも、今日は点を取れて、かつ自分たちが集中して守りきれました。今まで勝てていなかったけれど、これまでの試合で積み上げてきたものの成果が出たかなというふうに思った試合でした。

Q)本日、誕生日をお祝いしてもらっての感想
歳はとりたくないですが……。みんながおめでとうって言ってくれるのはすごく嬉しいです。無失点で終われたっていうのは、私だけじゃなくて、ディフェンスの子たちもだし、前から追いかけてくれるフィールドの子たちがいて、この無失点があったと思うので、ゼロで終われたっていうのはすごくうれしいです。みんなで勝つことができて、すばらしい28歳を迎えられました!

Q)サポーターの皆様に一言
長らくお待たせいたしました!みんながほしかった勝利を、やっと掴むことができて、非常に、嬉しいです。勝ったけれどリーグはまだ続くので、みなさんの応援を力に、全力で闘っていきます。

脇田紗弥

Q)得点シーンを振り返って
ターンをした時に、キーパーが前に出ていたのはわかっていました。ゴール方向に走っているのが見えたので「これいったろ!」と思って打ちました!決まった瞬間は、「やったーーー!!」って。まず入ったことがうれしかったです。

Q)得点をあげたのは脇田選手ですが「みんなで掴んだ勝利」とおっしゃっていました。どのようなところでそれを感じましたか。
前線の選手も、もちろん守備を求められるんですけど。でも、守備の選手はより、ほんとにみんなが戻るところに戻ってるし、自分が前線で疲れたときでも、みんなが一生懸命に戻る姿をみていて「これは自分もやらなきゃいけない」って思えました。そういうところから、全員で掴んだ勝利だと感じています。

Q)サポーターの皆様に一言
いつも応援ありがとうございます。ここまでずっと勝てなくて、自分たちも苦しかったんですけど、サポーターさんたちもきっと「そろそろ勝ってほしいな……」と思う気持ちはあったと思います。それでも「次!」と、優しい声をかけてくれたり、勝てない中でも毎試合見にきてくれたりするのは、すごく温かいことだなと感じています。だから今日は結果で返せてよかったです。次節もホーム戦になるので、また厳しい闘いになると思うんですけど、勝利をおさめたいです!