【2023プレナスなでしこリーグ2部 第14節~試合結果~】VSヴィアマテラス宮崎

いつもFCふじざくら山梨へご声援頂きまして誠にありがとうございます。
7月2日に行われた2023プレナスなでしこリーグ2部第14節のヴィアマテラス宮崎の試合結果をお伝えいたします。

≪2023プレナスなでしこリーグ2部第14節~結果~≫
(45分ハーフ)
FCふじざくら山梨 1-1 ヴィアマテラス宮崎
-前半 1-0
-後半 0-1
(得点)
12分 井原美波
(来場者数)
987名

≪スターティングメンバー≫
GK 清村珠幸
DF 濱名花子 加村ななみ 高山紗希 小鍛治旭
MF 菅百花 井原美波 脇田紗弥 中村友香 辻野友実子
FW 鈴木和遥

(途中出場)
71分 OUT13 鈴木和遥 → IN21田尻沙妃
77分 OUT16 辻野友実子 → IN25 田中里穂
91分 OUT10 菅百桃 → IN2 須田胡桃

【今節の振り返り~マッチレポート】

(レポート by 伊藤 千梅/撮影 by 北原 基行)
6月に行われたホーム戦でJFAアカデミーに敗れてから、3戦3敗と黒星が続くFCふじざくら山梨。中断期間に入る前に悪い流れを断ち切りたいところですが、今節の相手は現在リーグトップを走る、ヴィアマテラス宮崎。前回は0-1で負け越している相手に、どれだけ食らいつけるか。FCふじざくら山梨の底力が試される一戦です。

本日のイベントでは「ふじざくら夏祭り」を開催。たくさんのイベントスタッフにご協力いただき、会場前にはお祭りの屋台ブースや、水遊びを楽しめるエリアが登場。スタグルにも本日限定の夏メニューが並びました。

今回のイベントは「夏を感じよう」をテーマに、FCふじざくら山梨の企画部が考案しました。中心となって企画したのは、現在ケガで長期離脱中の松岡沙由理。昨シーズンも行われた夏祭りの企画ですが、去年以上に盛り上げようと、水鉄砲射的やスーパーボールすくいに加え、ボウリングとボール入れを追加。「フロントスタッフが手伝ってくれて、良いものができました」とスタッフへ感謝の気持ちを述べました。

夏祭りには多くの子どもたちが訪れ、暑さに負けずはしゃぐ様子が見られました。松岡選手は子どもたちが楽しんでいる姿に「こんなに来てくれるんだ」と驚いた様子。また、改善点も見つけることが出来たと話し「もっと良いものを作ろうと思いました」と、反省を今後の企画にもつなげていく心意気を見せました。

試合前には、ブラインドサッカーとアンプティサッカーの体験会を開催しました。
ブラインドサッカーとは、見えないサッカーを指します。ゴールキーパー以外の4人の選手は、アイマスクを装着。視覚以外の感覚や仲間の声、音を頼りにピッチを走ります。
一方、アンプティサッカーとは、上肢または下肢の切断を行った人たちが行うサッカーです。専用の器具を必要としないのが特徴で、日常の生活やリハビリ目的で使用するロフストランドクラッチを用いて、気軽に競技を行うことができます。

今回のイベントは、山梨県で活動するブラインドサッカーチーム「HOGARLIBRE」さんと、埼玉県で活動するアンプティサッカーチーム「FC ONETOP」さんをお招きして行われました。参加者からは「難しい」という声があがり、アイマスクやクラッチを用いたサッカーに苦戦。それでも、果敢に挑戦する姿が見受けられました。

今節のFCふじざくら山梨は、前回のホーム戦からスターティングメンバーを3名入れ替えた布陣で試合に臨みました。
開始早々、攻撃力に勝る相手から攻め込まれる展開に。前半4分、コーナーキックを与えてファーストシュートを打たれると、ホーム戦初先発のGK清村がキャッチ。危なげない守備をみせます。

立ち上げり、相手にチャンスを与えたFCふじざくら山梨でしたが、徐々に相手陣地に攻め込む時間も作ります。カウンターで攻め込むと、菅が長い距離を走り、今度は自分たちのコーナーキックを獲得。今節は中盤での出場となった中村のキックに、FW鈴木が合わせますが、枠をとらええることはできません。

9分には、FCふじざくら山梨がフリーキックのチャンスを得ます。左サイドからのボールに、脇田がヘディングで反応。ボールはゴールラインをわったものの、惜しくもオフサイドの判定。得点にはなりませんでしたが、選手たちは確実に得点へのイメージを共有します。

オフサイド判定で幻の得点となった直後も、相手のコートへ攻め込むFCふじざくら山梨。右サイドから細かいパス回しをつないで、相手陣地へ攻め込みます。最後は菅から、相手の背後へと抜け出した井原がボールを受けるとコーナーキックのチャンスを獲得。

コーナーキックのこぼれ球に反応していた井原が、ペナルティエリア内で倒されPKに。自らキッカーになると、ゴール右側にボールを蹴り込み、格上の相手に先制点。井原の今季初得点でチームに流れをもたらします。

得点後、相手の反撃を受けますが、清村が落ち着いて対応。中盤、FWもラインを下げ、全体をコンパクトに保ちながら相手の攻撃を抑え込みます。

19分には、鈴木が前からのプレッシャーで相手のDFからボールを奪取。相手陣地で攻撃に転じると、脇田にボールを預け、左サイドの辻野へと展開。シュートには至らなかったものの、前線からの守備で全体の士気が上がります。

その後は相手が攻め込む時間帯に。前半残り15分で立て続けにコーナーキックのピンチを迎えます。1本目は清村が飛び出してパンチングではじくと、2本目は高い位置でキャッチ。安定した守備でピンチを凌ぎます。

相手の攻撃を耐え抜くと、FCふじざくら山梨に再びビックチャンスが訪れます。
左サイドの辻野にボールが渡ると、運びこんでクロス。相手に当たったボールは角度を変えてゴール前に流れます。最後はゴール前に飛び込んだ脇田がボールに触れますが、ミートさせることができず、ギリギリのところでゴールの脇へ。追加点をあげることができません。

前半終了間際、相手が勢い良くドリブルを仕掛けてくるのに対し、センターバックの高山が相手のスピードを遅らせます。その隙に、菅がプレスバックで挟み込み、人数をかけて相手のチャンスをつぶします。最後まで集中した守りをみせ、1点をリードした状態で前半終了。ベンチに引き上げる選手たちに対し、まだ折り返しにもかかわらず観客席からは拍手が沸き起こりました。

後半も序盤から相手に攻め込まれ、自陣でプレーする時間が続きます。
相手が背後にボールを蹴り込んでくるため、全体的にラインを下げざるを得ません。しかし裏へのボールには、加村、高村のセンターバックを中心に、DFラインが落ち着いて跳ね返します。

55分に与えた相手のフリーキックのチャンスに、観客席では思わず息を詰めます。GK清村がキャッチすると、観客席では息を吐きだすと同時に拍手。その後も怒涛の攻撃を受けますが、中盤の井原も最終ラインまで戻り、相手の得点を防ぎました。

自陣で守備をする時間が続く中、70分にはホーム戦初出場となる、前線の田尻を投入します。その後、怪我から復帰した田中にもチャンスが巡ってくると、井原をサイドへ押し出し、中盤に入ります。

前線が活気づくと、少しずつ攻め込む時間も出てきたFCふじざくら山梨。後半でも落ちない運動量で脇田が相手のDFラインにプレッシャーをかけると、相手コートでボールを回収。そのままゴール前にクロスをあげますが、得点には結びつきません。

ラスト10分を切り、再び耐える時間に。サイドからクロスを上げてくる相手に対し、清村を中心にゴール前を固めます。

しかし86分。ペナルティエリアの外から、相手がグラウンダーのシュートを放ちます。味方に当たりコースが変わると、ボールはサイドネットへ。残り4分で失点を許し、試合は振り出しに戻ります。

失点後も防戦一方のFCふじざくら山梨。45分にはDFの須田を投入すると、出場して早々にヘディングでボールを跳ね返し、守備に貢献。相手の得点の機会を防ぎます。

ラストワンプレーで相手のシュートがクロスバーに当たりますが、こぼれたボールをクリアし命拾い。最後は追加点を許さず試合終了。リーグ首位の相手に、引き分けで試合を終えました。

試合後はキャプテンの田中が挨拶を行いました。ここから9月までリーグの中断期間に入ることから「チーム全員で誰一人欠けることなく、強くなってシーズン後半戦を迎えていきたい」と、サポーターの皆様へさらなる成長を約束しました。

渡辺監督は試合後、勝ち点3を取ることは簡単ではないと選手たちに伝え「だからこそ、勝ち点3を取るためには、細かい努力が必要」と中断期間での過ごし方について選手たちに問いかけました。

本日は987名の方に会場まで足を運んでいただきました。暑い中での応援、誠にありがとうございました。
今節を終え、リーグ戦は中断期間に入ります。なでしこリーグ参入1年目となる今季、FCふじざくら山梨は現時点で、8位(試合後確認)。なでしこリーグの厳しさと直面し、思うように勝ち点を積み重ねることができていません。

しかし、順位だけでFCふじざくら山梨の真髄をはかることは出来ないのではないでしょうか。
FCふじざくら山梨の試合会場には、老若男女問わず幅広い年代の人たちにご来場いただいています。今節行われた夏祭り、そしてブラインドサッカー、アンプティサッカーの体験には、多くの子どもたちが訪れました。
子どもたちの憧れの対象となり、ご年配の方の憩いの場となる。そんな地域に必要とされるクラブに、FCふじざくら山梨は少しずつ近づいているように感じます。

選手、指導者陣、そしてスタッフ。一人ひとりが置かれた立場から、より感動を届けられる存在になるため、中断期間にピッチ内外でのレベルアップをはかります。さらなる進化を遂げるであろうFCふじざくら山梨の姿を見に、後半戦も足を運んでいただけたらうれしいです。引き続きご声援のほどよろしくお願いいたします。

以下、渡辺海監督、井原美波選手、清村珠幸選手のコメントになります。

渡辺海監督


Q)試合を振り返って
選手たちには、今節も含めてこの5試合を勝ち点を積み上げる、負けない試合をしようというふうに送り出しました。まずは勝ち点を取るという部分では、引き分けで勝ち点1を取れたことは成果かなと思います。

ただ、勝ち点3を取ることができた試合が、勝ち点1になってしまったことは、自分たちの弱さです。それは前期のゲームを含めて、取り切れるところで取り切れない。守れるところで守れない。その一つひとつと向き合うことで、今後自分たちが求める結果が得られるかなと思います。

Q)次節に向けて
まずは、勝ち点を取って降格ラインを脱出すること。そのために、後期のゲームに向けて、守備の部分を徹底してやりたいと思います。そこで勝ち点を生むことで、ようやくその先で自分たちがもう一度チャレンジングな姿をお客様の前で見せられると思います。そこまではしっかりと耐えながらやっていきたいです。

井原美波

Q)今日の試合を振り返って
全体的に守備する時間が多かった中で、先制点を取れたし、勝ち点3を取れたなという印象です。最後の最後のところで点を取られてしまうのは、自分たちの甘さだから、そこはまだまだこれからの練習で改善していかないといけないところだなと感じました。

Q)得点シーンを振り返って
最初は蹴るつもりなかったんです。「誰かが蹴るかな」と思っていたので、すぐボールを拾いに行きませんでした。でも、自分が蹴る雰囲気があったので「じゃあ蹴るか」と思って蹴りました。蹴るときは、割と冷静だったと思います。元々蹴る方向は大体決めていますが、最後のところはキーパーをみて決めようと思っていて。キーパーが先に動いてくれたので、右側に蹴りました。前のチームでもアシストしかしていなかったので、なでしこリーグで初得点です。決めた瞬間は「イエーーイ!」と思いました!

Q)次節に向けて
勝ち点3を、1にしてしまった試合だったので、勝ち点1を3に持っていけるように、また全員でこだわるところはこだわってやっていけるようにしていきたいと思います。
今日は観客数が900人を超えていて、すごく雰囲気がいい中でできました。自分たちもそれだけ人が入っていると、高ぶるし、本当にパワーになっています。私たちはサポーターさんたちに向けて感動を届けるためにサッカーをやっているので、そこをブラさずに、しっかり全員で闘っていこうと思います。

清村珠幸

Q)今日の試合を振り返って
前期は0-1で負けた、リーグ首位でもある相手との対戦でした。それに対して、PKで先制点を取ることができ、ゴール前に迫れるシーンもあるなど、前期よりも差を詰められた試合だったと思います。でも、勝ち点3をこぼしてしまった試合でもありました。お客さんもチーム最多の987人が来てくださり、いつも以上の熱い声援も聞こえていたので、その中で勝ち切りたかったです。

Q)ホーム戦初出場について
怪我をしている中でチームに合流して、そこから今は、少しずつ感覚を取り戻してきました。なかなか試合に絡むことができずにしんどいときもありましたが、今まで過ごしてきたサッカー人生の中で、準備の大切さはすごく学んできた部分だったので、準備の部分は怠らずに、いつか来るそのときを信じてやっていました。
今日の試合は、実はすごく緊張していました。隠してはいたけれど、緊張するほうなんです。クロスが多く上がってきた中で、その対応はできたかなと思います。

Q)次節に向けて
これからリーグの中断期間に入って、7月8月は練習試合。その後9月は皇后杯と、リーグ戦とはまた違ったトーナメントの難しさがあります。このなでしこリーグの中断期間で、たくさんのことを得られる機会があると思うので、そこでしっかり自分たちのものにしていきたいです。
今週の練習は、倒れるまで走る、厳しい練習にすることが出来ました。それを最低限の基準として、中断期間ではそれよりも積み重ねて、後期のリーグ戦で皆さんに一回りも二回りも成長した姿を見せられるように頑張っていきたいと思います。