【選手日誌】2019年シーズンを振り返るわたし日誌 ~引田ちひろ #4~

FCふじざくらの記念すべき1シーズン目である2019年シーズンを選手自らの言葉で振り返り、言葉に起こしてもらいました。

文章:引田ちひろ(本人)より

私がFCふじざくら入団した理由

まずは、私がなぜFCふじざくらに入団しようと思ったかについてお話ししたいと思います。
時間は遡る事六年前。私が前所属していたところもなでしこリーグを目指すチームとして立ち上げられたチームで、私は初期メンバーとして五年間そのチームで何とか上を目指していました。しかし、現実は厳しく、チャレンジリーグへの挑戦権すら中々掴めず、一年ごとに一つずつリーグを上がっていく感じでしたが、東海リーグで苦戦する状況が続き、私自身そろそろ引退して地元に戻ろうかと悩んでいました。そのタイミングで、ちょうど地元の山梨県に新しいチームが立ち上がるという話を小耳に挟み、悩む間もなく、このチームに移籍したい!と思いセレクションに参加しました。
当初の感想は、え、県内出身選手うちだけ!?が第一印象でした。でもこれは一番のアピールポイントにもなるし、地元の女子サッカーを盛り上げたいという思いでここまでサッカーを続けていたのもあり、即座に入団を決めました。
私には願ったりかなったりのチームだった訳です。

1年経った今感じること

2019年3月に始動したFCふじざくら。
あれから一年が経ち今想うことは、FCふじざくらに入団する前は、サッカーに対して何かやりきれないもどかしさを感じていたのですが、このチームで一年間サッカーをして“本気”で取り組めるようになりました。意識の高い選手・スタッフとともにサッカーができる喜びを日々感じています。
また、気持ちの変化としては、入団当時は「山梨の女子サッカーを盛り上げたい」という気持ちが大きかったのですが、このチームの一員としていろいろな活動や仕事を通して、「このクラブを基盤に山梨全体を盛り上げていきたい」という気持ちに変わりました。少しの変化に見えますが、「山梨の女子サッカーを盛り上げたい」というのは私が大学生の頃から思っていたことなので、これは大きな変化だと思っています。日本の大学を卒業してから九年間思い続けてきた考えが、この一年で変わったのですから。

この1年でもっとも私が成長したこと

そんな中で、この一年間で私自身成長したことを挙げると、自分自身の事を理解し何事にも取り組むこと、相手の事を考え主体的に動くこと、の二点です。なぜ成長できたのか。それは、周りの人の影響であり、自分の考え方の変化でもあります。自分自身を見つめ直すことの重要さと自分から情報や考えを発信していくことの大切さを日々感じてます。

 

クラブのコンセプトであるプレイングワーカー

FCふじざくらのコンセプトである“プレイイングワーカー”。
インタビューなどでもよく聞かれるこの内容ですが、私にとっての“プレイングワーカー”とは、『サッカーと仕事に境界線を付けず、自己の価値を高めながら、主体的に行動できる人』だと思います。捉え方は人それぞれだと思いますが、私にはこの考えがしっくりきました。まだまだプレイングワーカーとしては未熟ですが、少しでも考えに近づけるように行動をしていきたいと思います。

 

2019年シーズンで最も印象深いこと

FCふじざくらとして一年を過ごし、一番印象に残っているのは、チャレンジリーグ参入予選大会の初戦です。
この為に一年間厳しいトレーニングをしてきて、やっとこのスタート地点に立てるという思いで、私はこの日とてもワクワクしていました。キックオフ時間が変更になり、少しイレギュラーではあったにも関わらず、この日の試合はこの一年で一番”FLOW”な状態で臨めました。いい緊張感と集中のバランスが取れていて、相手・味方・観客・環境全てにとらわれることなく、身体がスムーズに動き、落ち着いたプレーができました。「これが辻先生の言う“FLOW”の状態か!」と試合中感じたほどです。
残念ながらこの感覚が多くつかめたのはこの試合だけでしたが、一年間メンタルトレーニングを経て出た効果だと思っています。本当は、チャレンジリーグ入れ替え戦本戦でこの“FLOW”な状態に持っていけてもっと自分に自信をもってプレーができたら…と正直悔しいです。なので、常にこの”FLOW”の状態に持っていけるようにこれからも日々、心と身体のトレーニングに勤しみます!!

 

私にとってサッカーとは

最後に、私にとってサッカーとはどういう存在なのかについて。
“サッカー”=“自分自身を表現するものであり、人との繋がりをもたらしてくれるもの”小学四年生からサッカーを始めて、一度も辞めたいと思ったことがありません。それは根本的にこの考えがあるからだと思います。サッカーがなくなったら自分を表現できなくなるのか、人との繋がりはなくなるのかと言われるとそんなことはありませんが、サッカーは私の人生において、大いにその部分をカバーしてくれています。
そんな“サッカー”は、私の生活を豊かにしてくれるものでもあります。それは先ほど述べた内容もそうですし、やっぱりサッカーをしている時が一番楽しいです。
もうどこのチームに行っても最年長という座を手に入れてしまう年齢になってきてしまいましたが、まだまだ私の挑戦は続きます。若者に負けないように頑張ります。
これからも暖かく見守っていてください。