【わたし日誌】2020年シーズンを振り返る ~戎谷亜美#15~


FCふじざくらの2シーズン目である2020年シーズンを選手自らが考え、言葉に起こして届ける「わたし日誌」。
文章:戎谷亜美(本人)より

私がFCふじざくらに入団した理由

FCふじざくらが掲げるプレイングワーカー制度に深く共鳴するとともに、プレイヤーとしてだけではなく、社会人としても一流を目指していきたいと思ったからです。
また菅野さんの考える、流動的なパスサッカーにとても魅力を感じました。厳しいトレーニングということで有名ですが、あえてそこに身を置き自分自身を高めていきたいと思ったからです。
サッカーをやってる以上私の中では、プレイヤーとして一流を目指すのは当たり前。
しかし、なぜ私は社会人としても一流を目指していきたいのか。それは、自分自身が出来ないことの理由をサッカーのせいにしたくないからです。サッカー選手以前に、社会人として当たり前のことを当たり前にできるように、そしてスパイクを脱いだ時、一人の立派な社会人として、社会に出たい。そう思っています。
だからこそ、FCふじざくらに入団したいと思い、入団させていただきました。

私にとってプレイングワーカーとは

競技でも一流、社会でも一流を目指すことです。
もちろん、サッカーだけでは学べないこと、仕事だけでは学べないこともたくさんあります。私たちはプレイングワーカーという立場であるからこそ、学べることがあり、できることがあります。ただそれは、自ら学ぼうとしなければ成長もない上、なにも得られないとこの一年で強く感じました。プレイヤーとしても、ワーカーとしても自分が置かれた場所で何をすべきなのか、なぜそうするのか常に思考を巡らせ、行動していかなければならないと感じました。
私たちは有難いことに、サッカーも仕事も100%でできる環境を作っていただいています。プレイングワーカーという特別な立場である今だからこそできる様々な経験や学びを通して、これからの”人生の教科書”を作り上げていきたいと思います。

1年が経って感じる自分自身の成長

私は人見知りということもあって、今まで人と接することがあまり得意ではありませんでした。しかし、社会人となり、人と接することは当たり前のことで、避けては通れない道だということを思い知らされました。
1年間の中で、レジャー施設であるゴルフ場でのキャディ業や富士すばるランドでのサービス業、また総務部での事務作業など多種多様な経験をさせていただいた中で、様々な方々と接する機会がありました。この経験を通して、人と接することに対して苦手意識も薄れ、積極的にコミュニケーションが取れるようになったと感じています。相手の顔が見えない電話に関しては、顔を合わせて話すこと以上に抵抗がありました。今では相手方の立場に立って、少しずつではありますが、言葉遣いや話すテンポなどを考えながら落ち着いて電話対応することができるようになりました。
まだまだ未熟な部分はありますが、自分自身の成長を自分自身で感じられるように、また環境に満足せず、邁進していきたいと思います。

私が感じるこの1年でのチームの変化や成長

アスリートとして、オンザピッチだけではなく、オフザピッチの活動も積極的に取り組めたことだと思います。フロントスタッフのサポートもありながら、様々なプロジェクチームが発足し、選手それぞれが目標・目的を考え過ごした1年でした。今年はコロナ禍で異例のシーズンとなり、試合数も限られ、応援してくださる方々に直接感謝を伝える機会が少なかったです。
しかし、こういった活動を多方面から行えたことで、FCふじざくらファームで育てた野菜を実際に販売させていただいたり、地域サッカー教室をさせていただいている子ども達が試合の応援に足を運んでくれたり、サッカーとは違った形で地域の方々と交流することができました。その結果、選手それぞれが、プロジェクト活動ではもちろんのこと、オンザピッチにおいても自覚と責任を持って行動することができるようになったかなと感じます。

2020年シーズンでもっとも印象に残ってること

私が最も印象に残っているのは、7/19に行われた皇后杯の山梨学院戦です。
私はこの試合に出場することはありませんでした。正直、心のどこかで試合に出れるだろうと思っていた甘い自分がいたからこそ、めちゃくちゃ悔しかったです。試合に負けたことよりも、負ける試合に自分自身が出られないことが何よりも悔しくて、情けなくて、現実を受け入れられませんでした。この日までのサッカー人生、私は技術が優れてるわけでも、才能に長けているわけでもないのに変にプライドを持ち続け、試合に出られなかったり、思うようにいかなければ現実から目を逸らし、自分自身と向き合うことから逃げてきました。その情けない自分には、気づいてはいたのですが、未熟な私にはそうすることでしか自分をコントロールすることができませんでした。しかしそんなことをしてても、もちろん良い方向に結果が転ぶことはありませんでした。それに改めて気づいたその瞬間、今まで私を邪魔してきた変なプライドを捨て、自分の弱さと向き合えるようになりました。
シーズン終盤では、サイドバックというポジションを任されるようになりました。初めて経験するポジションということもあり、分からないことが多いからこそ、周りの意見も取り入れ、自分自身のミスや課題に対しても今まで以上に素直に向き合えるようになりました。
今回は学院戦や急なポジション変更など、環境の変化によって変わることができた自分がいたのですが、今後は環境の変化に関わらず、自分の成長のために自分自身と向き合っていきたいです。

私にとってサッカーとは

私は小さい頃から、体を動かして遊ぶことが大好きでした。両親が心配してしまうほどの活発さで、新しいズボンを買ってもらっても、膝に穴を開けて擦り傷をつくって帰る。そんなことを繰り返していました。
サッカーに出会ったのは小学校3年生。それまでボールを蹴ったりはしていたのですが、兄がサッカーを始めたのがきっかけで、より興味を持つようになり本格的に始めました。小学生の時はサッカーに加えて、スイミングやピアノといった習い事もしていました。スイミングは幼稚園から、ピアノは小学2年生から。どちらもサッカーより先に始めていたのですが、中途半端に辞めるのが嫌で、なんとなく続けているといった感じでした。ただ、サッカーに出会ってからというもの、サッカーが楽しくて楽しくて、スイミングよりもピアノの練習よりも、サッカーを優先してしまうほど、今までにないくらい没頭していました。
楽しいことばかりではありませんでしたが、気づけば、この年になってまでもサッカーを続けています。サッカーをしてきたからこそ、多くの仲間に出会い、様々な経験をして、今の私があると感じています。これからもサッカーとは、切っても切れない縁で、様々な形で携わっていくのだろうなと思います。
サッカーをしていない自分が考えられないくらい、私はサッカーが大好きです。
きっと、人生の道標を示すために、サッカーとは出会う運命で、"出会うべくして出会ったもの"だったのかなと思っています。