【わたし日誌】2020年シーズンを振り返る ~松原ゆき#17~


FCふじざくらの2シーズン目である2020年シーズンを選手自らが考え、言葉に起こして届ける「わたし日誌」。
文章:松原ゆき(本人)より

私がFCふじざくらに入団した理由

私がFCふじざくらに入団した理由は、大学4年時に卒業後の進路を探していたところ、知人が山梨になでしこリーグを目指して活動している女子サッカーチームがあることを知りました。そのチームこそFCふじざくらでありプレイングワーカーという「競技でも社会でも一流」というコンセプトを掲げている、女子サッカーでは類を見ない挑戦に惹かれ、私もその1人になりたいと思ったからです。

私にとってプレイングワーカーとは

私にとってプレイングワーカーとは、積極的に自ら行動、チャレンジしチャンスを掴むことです。私がこのように感じているのは、何事も行動に移すことで自分の価値をサッカー以外に伸ばしていくことができると感じたからです。
富士観光開発株式会社は観光(レジャー)をはじめとした施設が多数あり、私が勤務させていただいている不動産部は多くのお客様と接する機会があります。自ら話に行くことでFCふじざくらを知っていただけたり、他の会社に挨拶に出向いたりと普段交わることのない方々とお話させていただく機会もあります。
そのような機会にどれだけFCふじざくらを知っていただけるか、応援したいと思っていただけるかが重要であると感じました。まだまだそのような機会で挨拶をして名刺交換をすることでいっぱいいっぱいな私ですが、いずれはもっとFCふじざくらについて語れるようになりたいと思います。
このような機会があるからこそ積極的に行動、チャレンジすることが大切だなと感じます。また、私は入団した当初SNSを使用する習慣がほとんどありませんでした。理由は投稿する必要がない、使い方が分からなかったというこの2点です。
そんな中、FCふじざくらの選手はそれぞれがコンテンツを決めてその内容を投稿していることを知りました。私はコンテンツにするような内容は自分には無いと思っていましたが、唯一料理が得意だったこともありGM補佐の五十嵐に勧められ料理投稿をしていくことに決めました。
はじめはどのような内容で投稿していけばよいか戸惑い、ただ自分の作ったものを投稿するだけでした。しかし、投稿を重ねるうちに、少しでも需要のある投稿にしたいと考え始めるようになり、作り方を入れたり、パートナー企業様から頂いた食材、商品などを使用したりと宣伝になるよう自分なりにこの1年考え投稿してきました。自己満足でもありますが、私なりに“カタチ”になってきたと思っています。今後も自ら行動、チャレンジする気持ちを忘れず、チャンスを掴めるように日々精進していきます。

1年が経って感じる自分自身の成長

私がこの1年で成長を感じている部分は、“自分自身の身体と向き合えるようになった”こと、“社会人としての立ち振る舞いを意識するようになった”ことです。
自分自身の身体と向き合えるようになった理由として今シーズン膝の怪我をしたということが私の中で大きいです。特に食事、睡眠は以前より改善されたと感じています。これまでは時間帯など気にせず食べたいものは食べる、見たい映画などがあれば夜更かしをするといった生活をしていることもありました。しかし、怪我で運動量が落ち、気持ち的にも苦しい状況が続く中でこの生活を続けていては今後にも影響してくると焦り始めました。幸いなことに私は料理をすることが好きで基本的に何でも自分で作ることができます。そこで1週間の献立、彩りを考えたり、白米を玄米に変更したりと料理のバリエーションを増やすことができました。また、毎朝同じ時間に体重を測ってスケジュール帳に記入するようになったのも今回の怪我がきっかけです。今ではだいたい「昨日あれだけ食べたから~㎏増えているだろう」なんて考え、肌が荒れだす原因なども予想がつくようになりました。いかに食事、睡眠が大切だということを思い知らされました。
このように身体をコントロールできるようになったことで生じたデメリットもあります。それは改善策を見つけたことで実際にその状況に陥ってもすぐに元の身体に戻せると思い、よくない生活を送ってしまうことがあるということです。矛盾していますがそんなことも稀にあります。だからこそ、今後はこれまで以上に意識して良い生活習慣というものを徹底していこうと思います。
社会人としての立ち振る舞いを意識するようになった理由は、勤務させていただいている環境が大きいと考えます。私は9月までは総務部、10月からは不動産部で勤務させていただいています。どちらの部署も多くの人と関わる部署です。身だしなみはもちろんですが、話し方や態度はいつも以上に心がけるようになりました。電話の応対では見えない相手だからこそ、声のトーンや抑揚、受け手の方が不愉快な思いをしない対応などを意識して取り組んできました。その甲斐があって、まだまだではありますが、今ではスムーズに電話の応対ができるようになったと感じています。また、事務作業ということもありパソコンを使用することが多く、当初は全く使えなかったエクセルでしたがこの1年でだいぶ使えるようになりました。キーボードの入力スピードも以前より速くなり作業効率が上がったと感じています。これからもプレイングワーカーとして全力で仕事、サッカーともに成長できるように取り組んでいきます。

私が感じるこの1年でのチームの変化や成長

この1年は新型コロナウイルスの影響でどこのチームも例年通り試合を行うことが難しいシーズンとなりました。そんな中、多くの支援をしていただいているパートナー企業の方々をはじめ、ファン、サポーターの方々にどのような形で還元すべきか考えるシーズンでもありました。その一環として行われた活動が、河口湖おおさわ園様の農作業、地域貢献活動としてサッカー教室、ふじざくらグルメ隊などで、選手が主体となって活動を行いました。農作業ではトウモロコシの“富士恵味”、白菜、ブロッコリーを育て収穫し、地域サッカー教室の保育所への寄付や河口湖BELL店での販売などを行い、積極的に富士山やさいの魅力を宣伝しました。個人的にはSNSで富士山やさいを使った料理をアップし、多くの方に購入していただければ良いなという思いで更新しました。選手それぞれがパートナー企業、ファン、サポーターの方々に対して考え行動していくことを意識できたのではないかと思います。

2020年シーズンでもっとも印象に残ってること

私が2020年シーズン最も印象に残っていることは、シーズン前の怪我により長期離脱をして劣等感に苦しんだ日々、そこから走れるようになってボールを蹴ることができたときです。今シーズンは本当に言葉で言い表せないくらい苦しく、悔しいシーズンでもありました。正直自分のことで精一杯でした。
みんながトレーニングをする姿を横目にできることを地道にこなす日々、練習に行きたくないと思ったことは多々ありました。自分だけができていないということに焦り、劣等感を感ました。達成感を感じているみんなに嫉妬することさえもありました。
ただ、サッカーがしたくてたまらなかったです。走っている、ボールを蹴っている、試合をしているみんながただただ羨ましかったです。と同時に私も来シーズンこそはという気持ちでリハビリに向き合いました。それでも足の状態が良くならない時期は本当に苦しく、リハビリ入院をしたこともありました。しかし怪我をして悪いことばかりではありませんでした。病院には同じ境遇の人が大勢いて、私自身とても刺激されることが多かったからです。きっとそれぞれ目指しているところがあって、年齢関係なく必死にリハビリする姿を間近に感じ、自分も負けていられないという気持ちにさせられました。また、励ましてくれるチームメイト、声をかけて下さる職場の方々、SNS 等でメッセージを下さるファン・サポーターの方々、多くの人の温かさを感じ苦しい時も乗り越えることができたと感じています。そんな中、6月末にジョギング、7月中旬にボールを蹴ることができたときは本当に嬉しかったです。単純ですが「頑張ってよかった」と心から思うことができました。調子に乗ってやりすぎてその後痛めたことも多々ありましたが、そんなことよりとにかく嬉しかったです。「やっぱサッカー大好き」って改めて思った瞬間でもありました。今はもう完全に走れるようになりボールも蹴ることができ、完全復帰に向けて歩みを進めています。今シーズンは苦しいことが多かった分、私の復帰に関わって下さった方々に感謝して来シーズンは笑顔でピッチを駆け回りたいと思います。

私にとってサッカーとは

私にとってサッカーとは、自分自身を成長させてくれるものであり、人との繋がりを増やしてくれるものです。私はサッカーを始めて17年が経ちます。常にサッカー中心の生活で私にとってなくてはならないものとなっています。その中で、嬉しい、悔しい、楽しいなど常に様々な感情がありそのたびに私を成長させてくれています。
また、サッカーを通して多くの人との繋がりができました。日々同じ目標に向かって取り組んでいる仲間、職場の方々、私たちを指導してくださるスタッフ、ご支援くださる企業の方々、ファン・サポーターの皆様、家族、友人、これまでサッカーを続けているからこその出会いであり、私が頑張ることができる原動力になっています。だからこそ恩返しとしても結果で応えたい、応えなければならないと強く思います。