【皇后杯 JFA 全日本女子サッカー選手権大会1回戦~結果~】VS 静岡SSUアスレジーナ

いつもFCふじざくら山梨へご声援頂きまして誠にありがとうございます。

11月27日(土)に行われた皇后杯JFA全日本女子サッカー選手権大会1回戦の結果をお知らせいたします。

≪皇后杯JFA全日本女子サッカー選手権大会1回戦~結果~≫
(45分ハーフ)
FCふじざくら山梨 2-2(PK9-10) 静岡SSUアスレジーナ(東海/静岡県)
-前半:1-2
-後半:1-0
‐延長前半:0-0
‐延長後半:0-0
(PK:9-10)
来場者数 189人

■得点者
23分 南條里緒
82分 辻野友実子

≪スターティングメンバー≫
GK mino
DF 工藤麻未 松岡沙由理 高山紗希 鈴木和遥
MF 井原美波 金井奈苗 田中里穂(Cap)
FW 南條里緒 清水千陽 辻野友実子

(途中出場)
105分 金井奈苗 out → 広沢実佳子 in
105分 井原美波 out → 戎谷亜美 in
118分 清水千陽 out → 中塚理加 in

ゲームの振返り~マッチレポート~

初めての舞台となる本選。
いつもグラウンドレベルでプレーするFCふじざくら山梨にとって、公式戦では初となるスタジアムでの試合となりました。
まず試合開始前に驚いたのは、多くのサポーターの皆さんが足を運んでくださったこと。太鼓や手拍子で、アップから選手たちを鼓舞してくださいました。
心よりお礼申し上げます。

対戦相手のSSUアスレジーナは今シーズンなでしこリーグ2部(3部相当)で戦い、シーズン3位という結果を残しているチームであり、格上の相手になります。

試合前に菅野監督から「まず守備では相手のストロングとなる選手を自由にさせないこと。守備の際の立ち位置や判断を間違えないこと、しっかり声を掛け合いマークを確認することを徹底しよう。攻撃では、両サイドでの攻撃の形を作っていく。また、サイドからサイドへのボールチェンジで数的優位を作りながら、相手のボックスに侵入していく」という指示を伝えます。

「選手入場」。
FCふじざくら山梨クラブ史上初の選手入場でピッチに足を踏み入れる。
高揚感と緊張感が混ざり合いながら、キックオフの笛は鳴らされました。

序盤はふじざくらが主導権を握る展開となります。
FWのトップとして出場する清水にボールがおさまり、サイドでの攻撃の展開が生まれます。最初のチャンスは前半7分。守備からボールを奪い、左サイドでパスを受けた辻野が、切り込みながら右足を振りぬくと、ボールはゴールバーを直撃!その跳ね返りを拾った井原がシュートを放つもゴールは右にそれます。

その後も、ボールを動かしながらチャンスをうかがうふじざくらに先制点が生まれたのは前半23分。左サイドの鈴木のスローインを受けた辻野が清水にパスを当てて、それを受けた南條がペナルティエリアで相手を一人かわして右足一閃!ゴール右隅にボールが吸い込まれ、格上相手から先制点奪います。


しかし、得点直後に、相手の反撃に合います。前からプレスをかけて前線からボールを奪いにくる相手に対して、中盤での競り合いでボールを奪われ、自陣のペナルティエリアまで侵入されシュートを打たれるシーンが続きます。シュートをブロックするもコーナーキックになり、そのコーナーキックの混戦から1点を失ってしまいます。
「切りかえよう」とピッチでは選手たちが「次の、今」のために、声を掛け合いますが、その2分後、ディフェンスラインでボールを奪われると、相手FW選手にミドルシュートを打たれ、GKminoが弾くも、ボールはそのままネットに吸い込まれ、逆転を許し、前半は1-2のまま終了となります。

ハーフタイムでは菅野監督より「両サイドのスペースを使って仕掛けいこう。格上の相手だけど、圧に負けてないし、ルーズボールも取れてる。相手より絶対良い内容でできてる。ふじざくららしさが出てる試合だよ!絶対追いつけるから大丈夫だ!勝とう!!」と強い想いを選手にぶつけ、送り出します。

追いつきたいふじざくらは、後半開始から前からのプレスでボールを奪い、自分たちボールの時間を増やします。
前半から清水のおさめから左右に展開して、サイドからチャンスを作ってきたふじざくらは、後半も左サイドの鈴木・辻野が相手選手とライン際で激しいプレーを魅せます。サイドチェンジも効果的に使えており、工藤・南條のスピードある選手からクロスも供給するシーンもあり、ゴールに近づいてはいますが、相手はなでしこリーグで戦うクラブ。ペナルティエリア内では特に厳しい守備で、選手を自由にさせず決定的な仕事をさせてくれません。

しかし、残り10分をきった82分、遂にスコアが動きます。
南條からのパスを清水がおさめ左サイドにはたくと、辻野が左足を振りぬき、ゴールを決めます。リーグ得点王の辻野がチームを救う同点ゴールを決め、試合はそのまま前後半30分の延長戦に突入します。



菅野監督から「もうこのまま行こう!素晴らしい試合してるよ。このまま最後まで走り続けよう」と前後半90分戦った選手に伝え、選手たちもこの状況にも関わらず、サッカーを最高に楽しんでる様子で、「絶対に勝つ!」という強い意志と共にサッカーを楽しもうという気持ちでピッチに戻ります。

そして始まった延長戦。最初に主導権を握ったのはFCふじざくら山梨。
開始1分で、FWの清水にボールがおさまり、反転してのシュートは惜しくもゴールをそれるも、その後も、南條の突破からチャンスが生まれるなど、相手ゴールに迫ります。しかし、100分以上走り続けたこともあり、プレスが遅れ、相手にファールを与えるシーンが目立ちます。相手は高さを生かして、クロスを供給するも、松岡・高山が身体をはってボールをはじき出し、GKのminoが好判断で相手の高さに対抗します。攻守の切り替えが早く、目まぐるしい展開となります。
延長後半に入り、戎谷・広沢・中塚を投入し、1点を取りにいきます。

延長後半9分には、右サイドのパスを受けた工藤がドリブルで持ち出し、クロスを供給すると、中で待っていた広沢が頭で合わせゴールかと思いましたが、相手DFがボールを蹴りだし、勝ち越しとはならず。粘る相手の攻撃を耐えきり、延長戦終了の笛がなります。

試合はPK戦での決着となりました。
アスレジーナが先行、ふじざくらが後攻となり、アスレジーナが決めると、ふじざくらも決めるという展開で、FCふじざくら山梨は5人目まで成功します。
6人目以降はサドンテスとなり、1本勝負。6人目、7人目、8人目を両チーム決めて迎えた9人目。
先行となる相手の選手がまずは決めて、9人目は途中出場の広沢。右足で蹴ったボールはゴールポストに当たるも、ゴールネットを揺らし同点。
10人目の相手選手が蹴ったボールはゴールポストに当たり、外します。
次を決めれば勝利という10人目のキッカーは、途中出場の中塚。
緊張感が溢れる中、右足で蹴ったボールはゴール左上をわずかに抜けてしまい、勝負は引き続き、延長となります。
相手の11人目はGKとなり、その選手が決めて迎えた11人目のキッカーは同じGKのmino。
ここまでチームを救ってきたminoが蹴りだした11球目のボールは無情にも外れてしまいます。
この瞬間試合終了の笛がなり、9-10で敗れてしまいました。



6部リーグ相当のFCふじざくら山梨が、3部リーグ相当のなでしこリーグ所属の静岡SSUアスレジーナとあと1歩の試合をすることができました。
勝負の世界なので、勝てなかったことは非常に悔しいですし、応援頂いたサポーターさん、パートナー企業の皆さん、そして、職場や地域の皆さんに対して、大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。

しかし、120分間戦った選手たちからは、涙と笑みがこぼれてました。今シーズン届かなかったなでしこリーグの舞台。
その悔しさをぶつけるために挑んだ皇后杯。
なでしこリーグのクラブと公式戦でこういった戦いができたことは、今後の関東リーグ入替戦や来シーズンのなでしこリーグ入替戦、そして皇后杯、すべてに繋がっていくという自信をチームとして、得ることができました。
遠方から静岡まで多くの方がご来場くださいました。スタンドを見た時に、ふじざくらのサポーターが多く占めていたことに、選手・スタッフは心から嬉しかったです。本当にありがとうございました。

以下、監督・選手たちのインタビューになります。

 

菅野監督


‐Q)試合を振返って
「まずは選手たちはよく戦ってくれたと思います。格上の相手というところで、難しい試合になるとは思っていましたが、これまでやってきたことを出してくれました。地力はもちろん相手の方が上であり、その中でいかに相手を上回るサッカーができるか、それをこの試合で選手たちは「何か」を感じることができたと思います。それが分かれば、高いレベルの相手でも戦えるということですし、勝利に近づくと思います。ただ、この現状に満足するのではなく、これをベースにどう積み上げていくのかが大事。ベースは今日の試合で、これから関東リーグ入替戦に向けて、チームとして強くなっていくために取組んでいきたいと思います。」

田中里穂


‐Q)試合を振返って
「厳しい試合になることは予想してましたが、その中でも自分たちらしい、ふじざくらのサッカーができたことは良かったです。自分自身、負けて悔しいですが、それ以上に今日の試合は本当に楽しかったです。応援に来た方々にも、ふじざくららしいサッカーをお見せすることが出来て嬉しかったです。今回の試合を通して、成長を感じることができたので、次は勝ちきれるようにまたトレーニングを頑張って行きたいと思います。」

辻野友実子


‐Q)試合を振返って
「率直に楽しかったです。こういった公式戦の場で、格上のチームに対して、良いスタジアムで、たくさんのサポーターが良い雰囲気を作ってくださって、その中で試合が出来て本当に嬉しかったです。今日はランニングをするという意識を持って試合にのぞんでいたため、それが得点に繋がってよかったと思います。ご声援本当にありがとうございました。」

mino


‐Q)試合を振返って
「非常に悔しいです。今日の試合では、みんなが良いプレーをしていて、みんなも楽しくサッカーをしていた中で、私のミスで負けてしまい、本当に残念です。PKは止める自信があったし、みんなが決めてくれると思っていただけに、自分が止められないで、最後自分で外してしまって、申し訳ない気持ちです。」

南條里緒


‐Q)試合を振返って

「格上のチームに対してプレッシャーを感じていた。FCふじざくらが目指すものを証明するために、ジャイアントキリングしたかった。ただ結果は付いてこなかったですが、試合は楽しむことができました。得点のシーンはあんまり覚えてませんが、今日は絶対点を決めるという強い意識を持っていたので、そういった想いがゴールに繋がったと思います。」