【2022プレナスなでしこリーグ2部入替戦 第1節~試合結果~】VS ディオッサ出雲FC
いつもFCふじざくら山梨へご声援頂きまして誠にありがとうございます。
11月6日に行われた2022プレナスなでしこリーグ2部入替戦 第1節のディオッサ出雲FCの試合結果をお伝えいたします。
≪2022プレナスなでしこリーグ2部入替戦 第1節~結果~≫
(45分ハーフ)
FCふじざくら山梨 1-0 ディオッサ出雲FC
-前半 0-0
-後半 1-0
(得点)
91分 広沢実佳子
≪スターティングメンバー≫
GK 出口春奈
DF濱名花子 松岡沙由理 松原ゆき 中村友香
MF 田中里穂 井原美波 戎谷亜美 金井奈苗 辻野友実子
FW 清水千陽
(途中出場)
53分 OUT15 戎谷亜美 → IN14 脇田紗弥
80分 OUT9 金井奈苗 → IN5 高山紗希
88分 OUT6 濱名花子 → IN19 広沢実佳子
88分 OUT16 辻野友実子 → IN13 鈴木和遥
【今節の振り返り~マッチレポート】
(レポート作:伊藤千梅)
FCふじざくら山梨が、これまでどうしても超えられなかった山。
それが、なでしこリーグ入替戦。
あと一歩が遠かった。
絶望感も、無力感も、存分に味わった。
でも、その日々があったから、今がある。
味わった感情の分だけ、強くなる。
どん底からはい上がってきた選手たちは、今が1番強い。
個人で渦巻く思いも、チームに関わってくれる人の思いも、全てを力に変えて、今日から始まる3戦に挑みます。
前節のセレモニーでは、観客席に向かって「応援に結果で恩返ししたい」と話した田口ヘッドコーチ。
試合前のミーティングでは、選手たちに「勝ったらみんなのおかげ。負けたら俺のせいでいい」と伝えます。「だから、負けることを、ミスを、恐れなくていい。このゲームは、きっと生涯忘れない試合になる。自分たちが今までやってきたこと、仲間を信じて、真剣勝負を楽しもう」。そう力強く声をかけ、選手たちを送り出しました。
ピッチから振り返ると、ふじざくらカラーに染まった観客席。サポーターさんの姿は、ゴール裏の芝生席にも広がっています。ユニフォームやグッズを身にまとい、応援に駆けつけてくれた皆さんの声援に背中を押され、選手たちは試合に挑みます。
快晴の中、入替戦の初戦が始まりました。
立ち上がり、どこか硬さが見られる選手たち。前半1分、相手にスピードで抜け出され、ファーストシュートを打たれます。その後も相手のスピードが上回る場面がありますが、松原、松岡の2人のセンターバックがカバーします。
そこからしばらくは相手のペース。サイドバックから、ディフェンスラインの裏に正確に蹴りこんでくるボールの対応に追われます。
FCふじざくら山梨のチャンスは、前半14分。フリーキックから松原のヘディング。惜しくもゴールの横に逸れました。チャンスはつかの間、再び相手の時間帯に。左サイドから攻め込まれる時間が続きます。サイドの井原も守備に戻り、サイドバックの濱名と協力し、確実に食い止めていきました。
給水後も耐える時間が続きます。
32分には相手にキーパーと一対一の状況を作られますが、出口がしっかりとストップ。そこから立て続けに攻め込まれるものの、ディフェンス陣が跳ね返します。
相手の猛攻は続き、3度連続で相手のコーナーキック。ここは松岡、井原がヘディングで跳ね返しピンチをしのぎました。
前半終了間際、チャンスを作るFCふじざくら山梨。ディフェンスラインからのビルドアップでゴール前までいくものの、シュートには至りません。3分後には、辻野が自陣から左サイドを突破。相手のゴールラインまでボールを持ち込みます。そこから攻撃のリズムをつかむと、田中のミドルシュートや右サイド井原のクロスからもチャンスを作り、いい状態で前半を折り返しました。
後半立ち上がりはFCふじざくら山梨のペース。シュートのこぼれ球も自分たちが拾い、立て続けにシュートを打ちます。前半と比べて、ディフェンスラインの位置を低くしたことから、裏を取られる回数が減少。相手の攻撃にも前向きで対応し、ボールを保持する時間帯が増えました。
また、これまでの試合で課題だったセカンドディフェンスの強度も改善され、前線のプレッシャーから良い形でボールを奪います。攻め込まれる場面もありますが、濱名が素早いカウンターで攻撃に転じます。スピードを生かしてドリブルでボールを運び、相手のゴールラインまで持ち込むと、味方を押し上げました。
同点で迎えたロスタイム。
後半から出場の脇田が前線で体をはり、コーナーキックのチャンスを得ます。渡辺コーチから「自分を信じて選択してみ」と言われたキッカー井原は、ショートコーナーを選択。頭すれすれを越していく絶妙なクロスに、88分に途中交代した広沢がヘディングで押込み劇的ゴール。土壇場での勝ち越しに、会場全体が歓喜にわきました。
最後は相手の攻撃を抑えきり、試合終了。ホイッスルとともに、スッタフも選手も、ベンチを飛び出してみんなで喜びます。
試合後、観客席に向けて挨拶をしたキャプテンの田中が「来週は皆さん、あと2人くらい連れてきていただいて…」というと観客席から笑い声。「勝って次につながる試合をしたいと思う」と、最後は次の試合への思いも語りました。
その後はサポーターの皆さま、ボールパーソンをしてくれていたアカデミーの選手たちも一緒に、笑顔で写真撮影を行いました。
本日もたくさんの方にご来場いただきありがとうございました。
なでしこリーグ入替戦は、始まったばかり。次回11/12(土)の試合も、昇格のために重要な1戦になります。自力で昇格を決める瞬間を見に、ぜひ会場まで足をお運びください。
以下、田口ヘッドコーチ、のコメントになります。
Q)試合を振り返って
いい守備をして、最後に刺すという、今年を象徴するようなゲームでした。
入替戦の初戦という緊張感はありました。いい守備からいい攻撃に繋がればいいなと思っていましたが、相手の能力が予選会以上の力だったため、そこに順応するまでに時間がかかりました。でもその中で失点せず、守備陣も攻撃陣も耐えたのが、前半はとにかく大きかったかなと思います。
後半に関しては、相手が疲れてきたところで、自分たちのリズムに持っていきたいなと思っていました。もう少しつなぐところなどは、自信もってやってもよかったです。
また最後は、みかこ(広沢)が決めてくれました。スタートがいて、サブがいて、途中交代がいる。その中でそれぞれ役割があって、全員がちゃんと自分の責任を果たしたから、最後こじ開けられた。全員出場して、全員で勝つことができたと思います。
Q)なでしこリーグ入替戦 第2節に向けて
まだ1戦終わっただけです。次回の相手はさらにレベルが高いこともわかっています。あと2戦残っているので、油断はできません。自分たちで勝ち点4をとって、昇格を決めること。そこに向けてとにかく頑張りたいと思います。
松原ゆき
Q)試合を振り返って
前半立ち上がりから、相手が前からくるのはわかっていたので、背後は気にしてはいました。けれど、最初は裏の対応が少し甘くて、シュートを打ち込まれたりもしました。ただ、1試合を通してチャンスの波はくるとは思っていたので、苦しい時間をみんなで耐えて我慢して、最後点を取れたのはよかったかなと思います。
Q)なでしこリーグ入替戦 第2節に向けて
1戦1戦勝っていくしかないです。一人一人がやること、役割をしっかりもっていれば、また勝利の女神は降りてくると思うので。自分にできることを、しっかりやりたいと思います。
Q)サポーターの皆さまに一言
こんなにたくさんの方々が足を運んでくださいました。今日はヴァンフォーレ甲府のサポーターさんも、初めて来てくださった方も多かったと思います。もう一回ふじざくらの試合に行きたいって思ってもらえたらうれしいです。また熱い試合を届けられるように、来週も頑張ります。
広沢実佳子
Q)得点シーンを振り返って
試合に出場する前は、隙があれば突いて、1点いきたいなという気持ちでした。得点のときは、コーナーですごくいいボールがみなみさん(井原)から上がってきて、ここまで流れてこいと思っていたら、目の前にボールが流れてきたので。もうとにかく押し込もうと思ってボールに触りにいきました。
Q)得点後に溢れた涙について
入替戦予選は全然点を決められなかったので、決まってうれしいのと、やっと結果が出たかというところでした。でも一番はとにかくうれしい。この勝利で、なでしこリーグに一歩近づいたから、それもうれしいです。
Q)サポーターの皆さまに一言
ふじざくらを応援したいという気持ちで色んな人が集まってくれました。職場の人だったり、パートナー企業さんだったり、いつも来てくださるサポーターさんだったり、本当に応援に力をもらっているから、皆さんとなでしこリーグの舞台にいけるように、必ず昇格したいです。