【2022プレナスなでしこリーグ2部入替戦 第2節~試合結果~】VS ヴィアマテラス宮崎

いつもFCふじざくら山梨へご声援頂きまして誠にありがとうございます。
11月12日に行われた2022プレナスなでしこリーグ2部入替戦 第2節のヴィアマテラス宮崎の試合結果をお伝えいたします。

≪2022プレナスなでしこリーグ2部入替戦 第2節~結果~≫
(45分ハーフ)
FCふじざくら山梨 0-2 ヴィアマテラス宮崎
-前半 0-1
-後半 0-1

≪スターティングメンバー≫
GK 出口春奈
DF濱名花子 松岡沙由理 松原ゆき 中村友香
MF 井原美波 金井奈苗 田中里穂 辻野友実子 清水千陽
FW 鈴木和遥

(途中出場)
66分 OUT16 辻野友実子  → IN14 脇田紗弥
66分 OUT9 金井奈苗  → IN15 戎谷亜美
79分 OUT10清水千陽  → IN19 広沢実佳子
79分 OUT6 濱名花子 → IN 5 高山紗希

【今節の振り返り~マッチレポート】

(レポート作:伊藤千梅)
入替戦初戦では、勢いのある相手に堅い守りをみせ、最後の最後で得点をあげたFCふじざくら山梨。貴重な勝ち点3を手に入れ「なでしこリーグ2部参入」という目標に一歩近づきました。

その劇的勝利から1週間。第2節の会場では、イベントが盛り上がりを見せています。今節のイベントテーマは「FCふじざくら山梨今シーズンラストホームゲーム!!!お腹も、心も満たされよう!」。河口湖屋台村さんにご協力いただき、初出店のお店から、定番のお店まで7つのキッチンカー・屋台が立ち並びました。

FCふじざくら山梨とのコラボ弁当でお馴染みの「山梨さえき」さんは、今シーズンの出店は7回目。いつも会場の外で見守りながら、観客席で応援したい気持ちもあったそう。それでも「お腹が空いていると力がでないので、選手も観客の方も、お腹いっぱいで試合を迎えられるよう、陰ながら力になれたら」と、今日もピッチの外からみんなを支えたいと話しました。

そして今節の観客席には、第1節の観客動員数444人を上回る580人のサポーターさんの姿。歴史が変わる瞬間を一目見ようと、多くの方々が足を運んでくださいました。
たくさんの声援を背中に受け、入替戦第2節がキックオフしました。

立ち上がり、前節よりも落ち着いて試合に入った選手たち。開始早々に相手左サイドからシュートを打たれますが、出口がしっかりとキャッチ。その後は、相手の前線3枚からの速いプレッシャーにも、落ち着いて対応します。

FCふじざくら山梨の攻撃は前半13分、辻野が相手の最終ラインの裏に抜け出します。相手ディフェンダーとの一騎打ちに競り勝ち、ファーストシュート。ゴールの横を通過しましたが、格上の相手にチャンスを作ります。

守備では最終ラインを低く設定し、縦パスが入らないように中を締めて対応。相手の前線に自由を与えません。
しかし前半19分、サイドを攻め込んできた相手に粘り強い守備を見せますが、ペナルティーエリア付近でフリーキックを与えてしまいます。そこからヘディングでそらされ失点。一瞬の隙をつかれます。

しかしその後もFCふじざくら山梨はリズムを崩すことなく、中盤からの守りを継続。攻撃では相手の裏を狙い、跳ね返されたセカンドボールを確実にひろうことで、高い位置で主導権を握る時間帯も作り出します。

前半終了間際、相手陣地で連続してフリーキックを獲得したFCふじざくら山梨。中村から弧を描く絶妙なボールがあがりますが、得点は奪えず、1点を追いかける形で前半を折り返しました。

ハーフタイムでは「感覚としてはやられていない」と声をかける田口ヘッドコーチ。その中で「まず1点で耐える。攻撃に転じたときに確実に決定機を狙っていこう」と伝えて、選手たちを送り出しました。

後半立ち上がりも、前半に引き続きFCふじざくら山梨のペース。
1トップの鈴木にボールが入ると、複数人を相手にボールをキープ。時間を作ると、上ってきた味方にボールをつけ、攻撃の時間を作り出します。

後半9分、相手のグラウンダーのクロスに相手が近距離でシュートを放ちますが、ここは出口がスーパーセーブで乗り切ります。しかしその5分後、出口がロングボールをはじいたところを相手に詰められ失点。そこから相手のプレッシャーに勢いが増し、攻め込まれる時間が続きます。

流れを変えようと、後半23分に選手交代。
交代直後、センターライン付近でボールを受けた途中出場の脇田が中央を突破。相手を引き付けた状態でボールを手放すと、パスを受けた戎谷が華麗なターンをして逆サイドへ展開。鈴木が前線にコーナーボールを送り込み、コーナーキックのチャンスを獲得します。
ここでは井原のキックに戎谷が抑えたシュートを放ちますが、惜しくも枠にはおさまりません。

そこから自分たちのリズムを取り戻し、前線でボールを回すと、再びコーナーキックのチャンス。前節で得点を生み出したショートコーナーでしたが、今回は相手によまれて阻止されます。

その後はボールを保持するものの、ゴールに迫ることができない時間帯に。試合終了間際には、相手のコーナーキックからヘディングシュートを放たれ、ボールはクロスバーに直撃。次々と攻め込まれますが、運も味方につけこの局面を乗り切ります。

残り時間でチャンスを作りたかったFCふじざくら山梨でしたが、最後はゴール前までボールを運ぶことができず、必死の守りをみせる中、0-2で試合が終了しました。

試合後、挨拶の前にグラウンドで円になるスタッフと選手の姿。そこで田口ヘッドコーチは「この1年間はるな(出口)がいなかったら、戦えなかった。たくさん後ろで助けられた」と話し、チームとしてこの負けを来週につなげていこうと伝えたといいます。

そして挨拶のために観客席の前に立った選手たちを、多くのサポーターさんが拍手で迎えます。キャプテンの田中は悔しい表情ながらもまっすぐに前を見つめ「来週は勝利して山梨に帰ってこれるようにしたい」というと、さらに大きな拍手に包まれました。

本日もたくさんの方にご来場いただきありがとうございました。
今シーズン最後のホーム戦は、皆様の心に残る試合になったでしょうか。

たくさんの応援に、先に胸がいっぱいになったのは、きっと選手たちです。
だからこそ、自分たちのサッカーを通じて、今度は観客の皆様の心を満たすため、選手たちは最後までピッチを走り続けました。勝利することはできなかったけれど、選手たちの姿をみて、何か心に残るものがあったら幸いです。

なでしこリーグ入替戦の最終戦は11/20(日)。アウエーでの試合にはなりますが、なでしこリーグ2部昇格に向け、応援のほどよろしくお願いいたします。

以下、田口ヘッドコーチ、田中里穂、鈴木和遥のコメントになります。

田口ヘッドコーチ

Q)今日の試合を振り返って
相手に攻撃力があるのはわかっていたので、ラインを低く設定していました。戦術は、何かを叶えれば、何かを失うもので、低い位置でサッカーするということは、ファールをすると危険な位置なのはわかっていたことです。そのうえで、1試合を通じてよく守れていたと思いますが、強い相手はあのようなセットプレーや隙を逃してくれないですね。
また攻撃面では、守備的な布陣ではあったので、攻めるときに鈴木が1枚になってしまう場面も多くありました。その中で時間を作ったり、個人で突破したりした場面は、評価できる部分です。またこの試合を糧に成長して生きたいと思います。

Q)なでしこリーグ入替戦 第3節に向けて
やっぱり簡単に昇格は決まらないですね。すぐに強くなる特効薬はないし、結果を変えることはできません。やるべきことは、自分たちの戦術、戦略を実行していくこと。いい準備をして、90分を通して集中すること。これを積み上げれば、いけると思っています。
また、ここまでホームで2戦やらせてもらって、特に前節はサポーターさんの雰囲気に助けられました。なので、皆さんの前で昇格を決めたかったのはあります。ただ僕らはまだ3戦目を残しているので、鳥取で勝って結果で恩返しをするために、今週も頑張りたいと思います。

田中里穂

Q)今日の試合は、どのような気持ちで臨んだのか
ホームで2戦できるというのは自分たちだけだから、やっぱり1番は、今日昇格を決めたいというのはありました。今回は特に「感謝」の気持ちを大事にしていました。昨日も、会社の人が全部準備をしてくださったので、いい状態で前日練習をすることもできたんです。自分たちの試合に、色んな人が関わって、支えてくれているなというのを感じているので、その人たちのためにも、ここで決めたいというのは思っていました。
結果はついてこなかったけれど、みんなそれぞれがやることをやってと思います。

Q)なでしこリーグ入替戦 第3節に向けて
決して絶望的な状況ではないけれど、最終戦までもつれるのは、今まで目の前で掴めなかった経験があるから、正直怖いという気持ちはあります。でも、自力で昇格を決められる可能性はまだ残っているので、勝ちに貪欲に、1週間高い意識をもってやっていけたらなと思います。

鈴木和遥

Q)今日の試合は、どのような気持ちで臨んだのか
勝利はもちろん目指していたけれど、その中でも楽しもうという気持ちは1番強かったです。例え自分たちが劣勢で、うまくいかないことがあっても、次の試合はあります。うまくいかないときに、さらにチームの雰囲気も悪くなると次につながりません。なので、結果だけではなく、次につなげる試合にするために、いい雰囲気を作ることも考えて試合に臨みました。

Q)サポーターの皆さまに一言
最後挨拶にいったときに、サポーターの皆さんはほんとうに温かいなと思いました。サポーターさんの声は選手に聞こえていますし、私たちのことを応援してくれているとすごく感じています。また、サポーターの皆さんの前で試合をするのは楽しいです。楽しませてもらっているから、楽しませたいという気持ちがあります。
だからこそ、結果で返したかったし、申し訳ない気持ちが大きいです。でもまだ試合はあるので、また来シーズンはなでしこリーグという場で応援してもらえるように、アウエーの試合だけれど勝利を掴んで帰りたいなと思います。