【2023プレナスなでしこリーグ2部 第2節~試合結果~】VS ノルディーア北海道
いつもFCふじざくら山梨へご声援頂きまして誠にありがとうございます。
4月9日に行われた2023プレナスなでしこリーグ2部第2節のノルディーア北海道の試合結果をお伝えいたします。
≪2023プレナスなでしこリーグ2部第2節~結果~≫
(45分ハーフ)
FCふじざくら山梨 0-0 ノルディーア北海道
-前半 0-0
-後半 0-0
(得点)
≪スターティングメンバー≫
GK 出口春奈
DF 濱名花子 加村ななみ 高山紗希 中村友香
MF 小鍛治旭 菅百花 金井奈苗 田中里穂 辻野友実子
FW 永木真理子
(途中出場)
HT OUT4 小鍛冶旭 → IN14 脇田紗弥
64分 OUT15 永木真理子 → IN19 広沢実佳子
78分 OUT9金井奈苗 → IN 13 鈴木和遥
【今節の振り返り~マッチレポート】
(レポート:伊藤千梅)
桜が咲き誇る中、FCふじざくら山梨のホーム開幕戦が富士山の銘水スタジアムで行われました。なでしこリーグの開催は、山梨県で初めてとなった今節。ここまで支えてくださった地域の方への感謝と、より多くの方へ感動を届ける覚悟を込めて「1122(いいふじ)登頂プロジェクト!なでしこリーグホーム開幕戦1122人を達成しましょう!」を始動しました。
昨シーズンに引き続き、会場前では河口湖屋台村さんご協力のもとふじざくらマルシェを開催。スタジアムグルメは充実の7店舗が並びました。
本日のイベントの一つであるキッズサッカーフェスタでは、未来のサッカー界を背負う子どもたちが、選手がプレーする試合前の芝生を駆け抜けました。その後、エスコートキッズとしても選手とともに入場し、山梨県初のなでしこリーグのピッチに足を踏み入れました。子どもたちは、大勢の観客を前に「緊張した」と口々に発しながらも、うれしそうにピッチを後にしました。
試合前には、クラブ1期生の引田ちひろ、石川くららによるキックインセレモニーが行われました。クラブ発足5年目。あと一歩が届かなかった中で、諦めずなでしこリーグを目指してきた選手たちがいたからこそ、ようやく今日という日を迎えることができました。チームの歴史を作り上げてきた彼女たちは「より山梨を盛り上げてほしい」「気持ちを託した」という思いを込め、審判と先発出場の1期生、金井のもとにボールを蹴り出しました。
これまでの歴史と、子どもたちの未来。そして応援してくれる方々の声援を胸に、山梨県初のなでしこリーグの試合が始まりました。
立ち上がりから、落ち着いてボールを運ぶFCふじざくら山梨。ディフェンスラインからの正確なロングパスを受けると、相手陣地内でボール回しを行います。
ファーストシュートは前半16分に放たれた、副キャプテン菅のミドルシュート。ゴールの上を大きく越えていきましたが、観客席は得点の気配に沸き立ちます。その直後、右サイド小鍛治がFWの永木を追い越してボールを受けます。足を振り切ったシュートは惜しくもクロスバーを直撃。さらに次のプレーでも右サイドから小鍛治がクロスを上げてチャンスを作りますが、ボールはゴール脇へと逸れました。
時折攻め込まれるシーンがありますが、中盤とディフェンスの選手たちの素早い寄せから、相手にはゴール前までいかせません。サイドの選手から中盤の選手にボールをあずけると、そこからもう一度サイドへとちらし、相手を動かすFCふじざくら山梨。相手のエリアでは、サイドの選手からクロスの形でチャンスを多数作りますが、背丈で勝る相手のセンターバックに跳ね返されます。
その後も、FCふじざくら山梨がボールを保持する時間帯。前半39分、サイドを駆け上がった濱名から、逆サイドに向けたクロスがあがります。ゴール前に走り込んだ辻野がヘディングでゴールを目指しますが、得点ならず。さらに前半終了間際にフリーキックを獲得したものの、相手キーパーが正面でキャッチ。最後まで怒涛の攻撃を見せましたが、ドローのまま前半を折り返しました。
攻め続けながらも1点が遠い中、ハーフタイムには渡辺海監督から「もう少しサイドでボールをもったときに、中に割って入っていこう」と修正が入りました。ただ、後ろ向きな声は決してなく「お客さんも得点までもう少しだと思ってくれているから、結果を出していこう」とピッチに立つ選手たちを送り出しました。
後半も引き続きFCふじざくら山梨のペースで試合は進みます。ペナルティエリアの周りで様子を伺う選手たちに、渡辺海監督から「こわがるな」と声がかけられました。
後半6分。ハーフタイムで交代した脇田が左サイドまで流れてくると、ドリブルで相手を引きはがしシュート。惜しくも外れましたが、ペナルティエリア付近で果敢に仕掛ける姿勢に、ゴールへの期待が高まります。
後半もサイドからの攻撃が止まりません。脇田のワンツーでの打開や、濱名の裏への抜け出しにより、コーナーキックをたびたび獲得。しかし、相手のディフェンダーに競り勝つことができず、もどかしいシーンが続きます。
1点がほしい前線の選手たち。後半になるにつれ焦りが見られたものの、懸命に走り続けます。後半31分には、金井が前線から体をはった守りを見せ、会場がどよめきました。チーム全体としても、前からプレッシャーをかけ、自陣に相手を入り込ませません。
後半33分には鈴木を投入すると、試合早々辻野からの縦パスから、左サイドを突破し存在感を表します。その数分後に再び辻野がボールをもつと、左サイドからクロス。最後は途中出場した広沢のシュートでゴールに迫るなど、途中交代の選手がうまくボールに絡み、攻撃をさらに活性化させました。
最後まで猛攻を続けるも、ゴール前を固めてきた相手に苦戦。15本のコーナーキックと、20本のシュートで終始相手を圧倒しましたが、引き分けのまま試合を終えました。
試合後、キャプテンの田中選手は「引き分けになってしまったのがすごく悔しいです」と今日の闘いを振り返りました。それでも「手拍子も拍手も、苦しい時に後押しされています。力強い声援が私たちのパワーになっています」と観客席に向かって感謝を述べました。来週のホーム戦に向けて「山梨県で初勝利ができるようにチーム一丸となってやっていくので、引き続き熱い応援をお願いいたします」と観客に呼びかけました。観客席の子どもからは、何度も「頑張った!」と声かけが。芝生席の方からのふじざくらコールの中、山梨県初のなでしこリーグの試合は幕を閉じました。
残念ながら勝利には届かなかったものの、皆様の熱い応援によりなでしこリーグ初の勝ち点を獲得。FCふじざくら山梨にとって歴史を変える第一歩を踏み出すことができました。ここから先もさらに厳しい闘いが待ち受けているかと思いますが、一戦一戦勝負にこだわりながら「感動が駆け抜けるフットボール」届けられるように励んでいきたいと思います。
4月16日(日)のホーム戦は、14:00から都留市総合運動公園やまびこ競技場で行われます。今日の試合以上のハードワークで、初勝利を飾れるよう来週も準備してまいりますので、ぜひ会場でご声援のほどよろしくお願いいたします。
以下、渡辺海監督、金井奈苗選手、脇田紗弥選手のコメントになります。
渡辺海監督
Q)試合を振り返って
「得点をどう取りに行くかというプランは立てていましたが、精度の部分で勝ち切ることができませんでした。相手が守備的にゴール前を固めてくる想定はしていたので、目の前の状況を打開していく質を要求していきました。しかし、勝負する瞬間を多く作ることができず、結果的にゴールという形に持っていくことができませんでした。
皆さんの前で勝利をお届けすることが、僕らにとって皆さんへの最高のおもてなしだと思っているので、そういった意味で勝ち点3をとれなかったのは非常に残念です。ただ、次に向けてこの結果を結び付けていくことはできると思います。まだ試合は続きますけれど、諦めずにやり続けるところはやっていけたらなと思います。」
Q)来週の試合に向けて
「勝つことにどれだけベクトルをむけてやれるかだと思います。ただ、彼女たちが勝ちたくても勝ち切れない部分を、我々がどうサポートできるかというところも含めて、チーム全員で質を上げていく必要があるなと感じています。自分たちがまだまだ実力を高めていけるとプラスに捉えて、次節に向けて準備していきます。」
金井奈苗選手
Q)今日の試合を振り返って
「1点が遠かった試合だなと思っています。ゴールまで迫ることはできたけれど、最後のシュートの部分で打ちきれなかったり、相手に体を張られたりしてしまいました。とにかく、1点が遠かったなと思っています。」
Q)キックオフセレモニーで1期生からボールを受け取った際「託した」という思いだったそうですが、そのボールをどのような気持ちで受け止めたのでしょうか。
「だからあんなに強かったのですね!やっぱり自分は1期生ということで、このチームに思いれもたくさんあります。その中で、自分がちゃんとやらないといけないなというのは思いました。」
Q)サポーターの皆様に一言
「創立5年目でやっとなでしこリーグが始まりました。そしてやっと山梨で開催できたにもかかわらず、勝利を届けることができなかったのは、すごく悔しいです。けれど、まだ試合は続くので、勝利した姿を見せられるように頑張っていきたいと思います。」
脇田紗弥選手
Q)試合を振り返って
「前半は仕掛けが足りないなというのは、外から見ていて感じていました。後半自分が出ることで、もっと仕掛けを増やしていくことを意識して入りました。実際試合に出て、積極的に仕掛けることができた部分もあったと思います。攻める時間も多くなって、自分の中でもドリブルをして相手が寄ってきたら周りを使うことも合わせて意識をしました。ただ、とにかく1点が遠かったです。」
Q)北海道出身の脇田選手は地元のチームとの試合でしたが、特別な思いで臨んだのでしょうか。
「いつもよりちょっと気合が入りました。さらに、地元というだけでなく、ホームの開幕戦でもあったので。また両親も北海道から来ていたので、絶対に自分が点を決めるという気持ちを持ち続けていました。」
Q)来週の試合に向けて
「来週は都留市での試合になりますが、ホームになります。次は絶対に勝って、皆さんに感動を届けられるように頑張りたいです!」