【2023プレナスなでしこリーグ2部 第16節~試合結果~】VS 吉備国際大学Charme岡山高梁戦
いつもFCふじざくら山梨へご声援頂きまして誠にありがとうございます。
10月1日に行われた2023プレナスなでしこリーグ2部第16節の吉備国際大学Charme岡山高梁の試合結果をお伝えいたします。
≪2023プレナスなでしこリーグ2部第16節~結果~≫
(45分ハーフ)
FCふじざくら山梨 1-1 吉備国際大学Charme岡山高梁
-前半 0-1
-後半 1-0
(得点)
61分 鈴木和遥
(来場者数)
708人
≪スターティングメンバー≫
GK 出口春奈
DF 濱名花子 松岡沙由里 高山紗希 小鍛治旭
MF 菅百花 田中里穂 中村友香 鈴木和遥 辻野友実子
FW 広沢実佳子
(途中出場)
HT OUT19広沢実佳子 → IN14脇田紗弥
76分 OUT11中村友香 → IN17徳田優香
86分 OUT25 田中里穂 → IN9金井奈苗
86分 OUT6濱名花子 → IN21田尻沙妃
【今節の振り返り~マッチレポート】
(Report by 伊藤千梅/Photo by 北原基行)
中断期間を経て再開した先週の試合では、勝ち点が拮抗するつくばFCレディースを相手に、見事勝利をあげたFCふじざくら山梨。今シーズンも残り3試合、連勝を目指して戦います。約3カ月ぶりとなるホームゲームでは、イベントも盛りだくさん。試合前には会場前で、「ふじざくらdeツナガルマルシェ」が開催されました。メイクやイラストの体験ブースにフードブースまで、さまざまな角度から楽しめるショップが登場。5月に行われたツナガルマルシェを上回る、今季最大規模の27店舗のショップが並びました。
マルシェの一角には、キックターゲットエリアが登場しました。サッカーをしている方だけでなく、子どもから大人、おじいちゃんおばあちゃんまで楽しめるコーナーになっています。参加した子どもたちは、声を掛け合いながら得点を競い合い、大人も本気で得点を狙いにいくなど、世代に関係なく盛り上がりをみせていました。
グラウンドでは「FUJI YOGAフェス」が行われました。講師は、ヨガコンディショニングコーチの鈴木一平さん。2016年には、鎌倉に湘南エリア唯一の全米ヨガアライアンス認定スクール「イナムラキャビン」を創立。現在はヨガ・呼吸・瞑想のメソッドを取り入れ、アスリートへの指導も行っています。
FCふじざくら山梨の選手たちもプレシーズン期間に指導を受けたヨガを、今回は特別に体験。鈴木さんからは「身体から呼吸、そして心に働きかけてきましょう」と声が掛けられました。30分間の体験を終えた参加者からは、リラックスした表情がみられました。
今節は縦へのボール運びが速い、吉備国際大学Charme岡山高梁との対戦です。FCふじざくら山梨は、前節に引き続き4-2-3-1のフォーメーションのまま、途中出場から得点を決めた菅が先発に名を連ねました。
試合開始早々に、左サイド辻野の仕掛けからフリーキックのチャンスを得ます。中村のキックに松岡が合わせますが、ゴールをとらえることができません。
その後は、前からプレッシャーをかけてくる相手に対し、うまくボールをつなぐことができないFCふじざくら山梨。後ろからのビルドアップミスで相手にボールがわたると、4分には、スピードのある前線の選手にファーストシュートを打たれました。
9分には、相手のクロスからのルーズボールに、GK出口が相手と交錯。キャッチすることができず、ボールがこぼれますが、ここはDFラインのクリアで凌ぎます。
自分たちの攻撃に転じることできない時間が続きますが、センターバックの松岡と高山を中心に対応していきます。
大きなピンチを迎えたのは、19分。相手の左サイドからドリブルで持ち込まれ、ニアに打たれたシュートはクロスバーを直撃。跳ね返ったボールから再びシュートを打たれますが、ここは田中が身体を投げ出したブロックで防ぎます。最後は自陣まで戻っていたFW広沢がクリア。ギリギリのところで失点を防ぎました。
ボールを持たれる時間は長いものの、徐々にスピードに順応する選手たち。
ハイプレスに対し、高山が相手を1枚置き去りにする持ち出しを見せます。その後味方にボールをあずけると相手陣地まで攻めあがり、攻撃参加も行います。
24分には、中盤とサイドでのパス交換を織り交ぜながら、右サイドからの崩しでゴール前へ。その3分後にカウンターを食らった場面では、サイドバックの濱名が相手陣地から追いつきDFの対応を行いました。
その後も相手に主導権を握られる展開の中、試合が動いたのは37分。
相手の右サイドからフリーキックのチャンスを与えると、相手に触られてボールはゴール前へ。一度は出口がセーブしたものの、こぼれたボールをクリアしきることができず、押し込まれる形で失点します。
選手たちは前半のうちに得点を取り返そうとゴールに向かいますが、
前半終了間際、鈴木のターンから、ペナルティエリアまで走り込んでいた辻野へパスが送られます。フリーでゴール前のシーンを迎えますが、オフサイドの判定。シュートを打つ場面をほとんど作れないまま、前半を終えました。
ハーフタイムには、レミオロメンの一員としてメジャーデビューを果たし、現在はソロ活動10周年 を迎えたミュージシャンの藤巻亮太さんによる、スペシャルイベントを実施しました。
山梨県笛吹市出身の藤巻さんは、実は大のサッカー好き。10月7日、8日に、山中湖交流プラザきららで行われる野外フェス「Mt.FUJIMAKI 2023」を控える中、地元山梨県で活動するFCふじざくら山梨を応援しに駆けつけてくださいました。
今回のイベントでは「3月9日」を披露。観客席のサポーターも両手を振りながらその歌声に聞き入りました。藤巻さんが「後半も力を合わせて応援しましょう!」と声を張り上げると、会場内に大きな拍手が沸き起こりました。
ピッチに戻る前に、藤巻さんとグータッチを交わした選手たちは、勢い良くグラウンドへと向かいます。
後半も引き続き、相手に前線からプレッシャーをかけられますが、前半とは打って変わって落ち着いた様子でボールを回すFCふじざくら山梨。
開始直後には、後半から出場した脇田がドリブルで相手をはがすと、ミドルシュートを放ちます。ボールはゴールから逸れますが、この攻撃を起点に全体がラインを押し上げました。
相手陣地でボールを回すリズムができると、54分には左サイドの崩しが生まれます。辻野から出されたボールを、脇田がワンタッチで鈴木へ展開。ゴール前まで運び込んだ鈴木のシュートはクロスバーに直撃し、惜しくもゴールを割ることができません。
徐々にリズムを掴んできたFCふじざくら山梨は、怒涛の攻撃を開始。
両サイドバックの小鍛冶、濱名も前線へと走り込みます。中村のサイドチェンジから、濱名がクロスをあげましたが、これはキーパーにキャッチされました。
たたみかけていた攻撃が実を結んだのは61分。裏に抜け出した脇田がドリブルでゴールラインまで運びこむと、コーナーキックのチャンスを得ます。
小鍛冶のキックは鈴木の頭へピタリと合わさり、勢いのあるヘディングでゴールネットを揺らしました。観客も盛り上がりを見せる中、キッカーの小鍛冶、得点を決めた鈴木がベンチに駆け込み、チーム全員で喜びを分かち合いました。
試合が振り出しに戻った中、追加点を取りに行きたいFCふじざくら山梨。
しかし、再びリードを奪おうと反撃を試みる相手に、立て続けにセットプレーを与えてしまいます。ペナルティエリア付近からのフリーキックは、相手にヘディングで合わせられ、ボールはゴール脇へ。観客から安堵のため息がもれました。
その後は一進一退の攻防が続きます。71分には、左サイドから辻野がドリブルで切り込みますが、相手が身体を張って阻止。ペナルティエリア内で倒されますが、笛は鳴りません。
76分には徳田、86分には金井と田尻を投入し、中盤3枚が入れ替わった状態で最後までゴールに向かうFCふじざくら山梨。鈴木からのグラウンダーのクロスに、辻野がニアに滑り込むシーン。惜しくもキーパーにキャッチされますが、試合終盤でも運動量をみせます。
試合終了間際、中盤の田尻がサイドにボールを散らすと、辻野がサイドを駆け上がり、コーナーキックを獲得。観客席からは得点の期待も高まり、手拍子が鳴りやみません。
先ほど得点を演出した小鍛冶からのボールは、今度は脇田の頭上に合わせましたが、ヘディングしたボールはゴールの上へ。同点に追いついたFCふじざくら山梨でしたが、追加点は奪えず、引き分けで試合を終えました。
試合後はキャプテンの田中が挨拶を行いました。今シーズンも残すところ2試合となった中「来週の試合で山梨に勝ち点を持ち帰った上で、最終戦を迎えられたら」と、アウェイの地でも全力で走り抜く覚悟を伝えました。
試合後には、最後まで試合を見ていた藤巻さんから「後半の気迫がすごかった」との言葉。全てを出し切って戦う姿に力をもらったと話し「見ている人たちもエネルギーをもらって帰られたと思う」と選手たちの健闘を称えました。
本日は708名の方に会場まで足を運んでいただきました。たくさんのご声援、誠にありがとうございました。このメンバーで戦うことのできる試合も、残り2試合。1戦1戦を大切に、全員で勝利を目指して戦います。
以下、渡辺海監督、鈴木和遥選手、高山紗希選手のコメントになります。
渡辺海監督
Q)試合を振り返って
前半は、自分たちの技術的なミスから、相手に主導権を握られてしまう回数が非常に多かったです。相手チームが与えてきた強度、勢いを跳ね返すことができませんでした。ただ後半は、選手が技術にこだわることが増え、攻撃における主導権を握れる回数が多くなっていたことを、いろんな局面で感じました。後半、選手たち自身が「このままじゃダメだ」と思って、修正していけたことも成長だと思います。
戦術的な話でいけば、相手のバイタルエリアと呼ばれる、ディフェンスラインの前のエリアを使いながら攻撃をするところを、意識させて送り出しました。後半はゴールに迫るアクションを、前線の選手だけでなく中盤のラインの選手含めて生み出すことができ、攻撃において中央とサイドのバランスが良くなった印象です。
今までの自分たちは、自分たちの流れでも点取れず、セットプレーでも点が取れず、こういった試合を落としていたことが多かったです。そういったところで、自分たちもセットプレーから得点を奪えたことは、シーズン前期と比べて大きな成長だったと思います。
Q)次節に向けて
今自分たちに求められていることは、勝利することです。もちろんこの試合も求めていましたけど、次の2試合も勝利に向けた準備は怠らずにやっていきたいと思います。
今日の試合で印象的だったのは、自分たちの1つ1つのプレーに対して、お客さんの大きな歓声や、ため息が聞こえてくたこと。これは本当にスポーツの醍醐味だと思います。そういった人の心を動かすアクションを、自分たちを通して、ファンの皆さんにもっともっと感じてほしいです。残り2節を出し惜しみなく、そういった人たちのために戦うことを約束したいと思います。
鈴木和遥選手
Q)今日の試合を振り返って
前半は相手が勢いを持って試合に入ってきました。元々それはわかっていたので、自分たちもその勢いを跳ね返そうと試合に入りましたが、相手の勢いに押され、前半は相手のペースで試合が進み、失点もしてしまいました。
後半は、前半と比べて、選手間の距離が少し良くなりました。それによってセカンドのボールを拾いに行ったり、選手のサポートに行く距離感がよかったりして、そういうちょっとしたことでチームのサッカーが変わったかなと思います。だんだんシュート回数も増えて、その中で得点ができ、引き分けに持っていけたのは良かったと思います。
Q)得点シーンを振り返って
得点シーンは、さゆさん(#3松岡)など、ヘディングの強い選手にマークがきつくきていました。自分にもマークはついていたんですけど、相手がボールから目を離した時に、自分にいいボールが来て、あとは合わせるだけという感じでした。あれは、旭(#4小鍛冶)がナイスボールだったので、キッカーに感謝です。
Q)今季残り2試合の意気込み
残り2試合は、勝てば、勝ち点6点を積み上げられます。今は他のチームと接戦なので、勝ち点6点を積み上げられれば、まだ順位を上げることができます。そこを意識して勝ち点を積み重ねていきたいと思います。
高山紗希選手
Q)今日の試合を振り返って
前半は、入りがあまり良くなかったのを引きずってしまいました。みんながなんとかしようとする気持ちはあったんですけど、それがうまくいきませんでした。失点は、跳ね返しに行くかどうか迷ってしまった私の判断ミスで、その結果出方が中途半端になってしまったのは個人的な反省です。
後半は、個人としても前半のミスを引きずっている場合ではないと思い、誰が出るかはっきりしないところは、自分が弾く気持ちでいきました。
チームとしても、1点ビハインドで迎えたので、とりあえず点を取りに行かなきゃいけないという気持ちで。みんなのスイッチがより入ったというか、吹っ切れた感じで後半に臨めました。その勢いのまま最後まで行けたし、点が取れたのもすごく良かったなと思います。ただ、それが最初からできない部分は課題だと思います。1個の判断やプレーで、その人自身だけでなくチームの雰囲気も変わると思うので、みんなを勢いづけられるような守備や、攻撃に繋がるプレーができるようになったらいいなと、個人的にも思っています。
Q)今季残り2試合の意気込み
アウェイとホームで1試合ずつ残っていますが、場所にかかわらず、結果にはこだわっていきたい気持ちがあります。
あとは、今持っている自分の100パーセントの力を常に出せるような準備を、日々トレーニングではしていきたいと思っています。それがFCふじざくら山梨らしさだと思ってもらえるプレーだと思うので、それを見ている人に届けられるようなプレーもしていきたいです。それが結果、チームの流れとか雰囲気が良くなる方向につながり、いい影響が与えられたらいいなとも思います。後ろからみんなのことを見られる分、後ろから後押しできるようなプレーや声かけで、勝利が掴めるように。そして応援してくださっている方に、感謝を少しでも届けていきたいです。
Q)サポーターさんに一言
いつも温かいたくさんの応援をありがとうございます。なかなか結果が出ず、苦しい状況の中でもずっと応援してきてくださっている方たちが、私たち以上に私たちを信じてくれていることが伝わってきています。それを力に変えて、あと2試合ですけど頑張っていきたいと思います。引き続き応援よろしくお願いします。