【2025プレナスなでしこリーグ2部 第22節~試合結果~】VS ヴィアティン三重レディース

いつもFCふじざくら山梨へご声援頂きまして誠にありがとうございます。
10月18日に行われた2025プレナスなでしこリーグ2部第22節ヴィアティン三重レディース戦の試合結果をお伝えいたします。

≪2025プレナスなでしこリーグ2部第22節~結果~≫
(45分ハーフ)
FCふじざくら山梨 0-1 ヴィアティン三重レディース
-前半 0-0
-後半 0-1
(来場者数)
916人
≪スターティングメンバー≫
GK 米澤萌香
DF 源関清花 加村ななみ 五味小暖
MF 小鍜治旭 中村友香 三田幸望 辻野友実子
FW 濵名花子 成迫実咲 脇田紗弥


(途中出場)
HT OUT 29三田幸望→ IN 9山本菜桜美
HT OUT 15成迫実咲→ IN 40鈴木紋伽
70分 OUT 6濵名花子→ IN 10菅百花
78分 OUT 11中村友香 → IN 28 島村美風
88分 OUT 14脇田紗弥 → IN 17 大谷琉晏

 

【今節の振り返り~マッチレポート】

久しぶりにホーム富士北麓公園に戻ってきたFCふじざくら山梨。
ここ富士山の銘水スタジアムでは4月6日以来白星がなく、ホームタウンであるこの地元で白星を挙げたいところ。

なでしこリーグ1部入替戦へ進出する条件は2位に入ること。
試合前までは、2位から5位まで勝ち点差が「2」という状況になります。
FCふじざくら山梨は5位に位置しており、この最終戦が入替戦進出を決める重要な一戦となりました。

スタジアムには、ふじざくらの背中を押すために、多くの方が駆けつけてくれました。
本日はトヨタカローラ山梨マッチデーということで、トヨタカローラ山梨さまが、同会場で開催される山梨クィーンビーズさんとのコラボバンダナを制作し、来場特典として配布しました。「皆さんと共に戦う」最終戦、想いを1つに試合へ挑みます。

序盤はふじざくらが主導権を握る展開になります。

キックオフ直後から源関清花、加村ななみを起点にテンポ良くビルドアップ。右サイドでは小鍛冶、中央では脇田がボールを受け、濵名と積極的に仕掛けます。
7分には脇田のクロス辻野が飛び込みましたが、相手DFが体を張ってブロックされます。

しかし、徐々に相手も高い位置でのプレスから、中盤でボールを奪われ、自陣で守備に回る時間が増えていきます。

そんな中、ふじざくらも反撃を見せます。
前半25分に、左サイドのコーナーキックのチャンスを得ると、小鍛冶のコーナーキックを三田がニアで絶妙なヘディングシュートを放つも、これはゴール内にいた相手選手に弾かれます。

前半終了間際には、脇田がドリブルで相手守備陣を突破するも、ドリブルのボールが大きくなったところをキーパーが飛び出しキャッチされます。
中盤での攻防が激しさを見せる中、前半終盤は相手の攻撃を耐える形で終えます。

ハーフタイムに入ると、田口監督から「前線から限定させて守備を対応していこう。クロスの対応がをしっかりして、相手を自由にしないこと。ここから後半1点取るよ!いこう!」と伝え、選手を送り出します。

後半に入り、山本・鈴木が投入され、五味が1つポジションを上げてボランチに入ります。

後半に入っても、ふじざくらが相手の攻撃を凌ぐ時間が増えます。
しかし、徐々に、3バックとアンカーの五味がボールを回し、相手自陣へ侵入する時間を作り出します。
攻撃にテンポが生まれはじめ、右サイドの小鍛冶、濵名が突破を繰り返し、中央の脇田がボールを受けて、相手ペナルティエリアへ侵入する形も出始めますが、中々シュートまでいけません。山本の高さを狙ってボールを供給するも、セカンドボールを先に相手に拾われてしまい、そこから相手に押し込まれる展開に。

試合が動いたのは後半27分。
自陣左サイドを相手に突破されクロスが供給されると、このボールを相手がニアで蹴り込み、痛恨の先制点を許してしまいます。
さらに29分には、再び自陣右サイドから崩され、ペナルティエリア中央で相手にフリーでシュートを放たれるも、GK米澤萌香がセーブを見せ、追加点を与えません。

追いつきたいふじざくらはロングボールを蹴り込み、相手自陣に押し込みます。
後半38分に、小鍛冶のフリーキックに五味が頭で合わせるが、惜しくもゴールバーの上。
42分には途中出場の島村美風のコーナーから再び五味がヘディングシュートも、ボールはポストわずかに外れます。
アディショナルタイムには、山本が胸で落とし、途中出場の大谷が思い切りシュートを放つもゴール右へとそれ、ゴールマウスを捉えることができません。

このシュートが外れると、リーグ戦最後の笛が鳴り響き、0-1で敗れてしまいました。
この結果、なでしこリーグ1部入替戦への切符を獲得することはできず、2025年シーズンのなでしこリーグ2部は「5位」という結果でシーズンが終了となりました。

試合後にはシーズン終了報告セレモニーを行いました。
田口監督、そして菅百花キャプテンより、お集まりを頂いたサポーターの皆さまへ感謝をお届けすると、サポーターの皆さまはその言葉一つ一つに拍手で反応してくださり、暖かい声をかけてくださいました。本当は悔しい想いがある中でも、選手によるお見送り会では「よく頑張った、大丈夫だよ」という声をかけてくださり、温かいサポーターの皆さまへの言動に選手たちの目からも涙がこぼれました。

今シーズンも悔しい敗戦、引分けが多い中でも、その状況と向き合い、選手、そしてスタッフが昨年より成長できたことは間違いございません。
皆さん、2025年シーズンのなでしこリーグは終了となりましたが、本当に多くのご声援を頂きありがとうございました。選手はもちろん、クラブもたくさんのパワーを頂きました。
なでしこリーグ1部昇格は叶いませんでしたが、必ず来年こそは1つ上のステージで戦えるようなチームを目指して参ります。

以下、田口監督、菅百花、大谷琉晏のコメントになります。

田口監督


Q)今日の試合を振り返って
「まず一番に出てくるのは「悔しい」という気持ちです。やはり、自分たちが今シーズン積み上げてきたサッカーをこの試合でしっかり表現できなかったことが、何より悔しいです。ヴィアティン三重レディースさんとはすべての場面で1体1が起こっている状況だったので、それを私たちは逆に狙っていたのですが、攻略が出来ずテンポが悪くなり前半は難しい形になってしまいました。失点の場面では攻撃の判断や意思統一が少し曖昧だったと感じています。ボールをつなぐのか、蹴るのかという判断がチーム全体で共有しきれず、そこからの失い方が悪くカウンターを受けてしまいました。最後まで選手たちは懸命に戦ってくれましたが、やはり技術的な部分、ボールを止める・蹴るといった基本の精度の差が結果に表れた試合だったと思います。」

Q)今シーズンを振り返っ
「得点・失点の数字も昨シーズンとほとんど変わらず、あと一歩のところで上位との差を縮められませんでした。特に4〜5月の5試合勝ちなしの期間が最後まで響いたと思います。あの時期は内容的に悪くない試合もありましたが、勝ち切る力、最後の質が足りませんでした。ただ、後半戦に入ってからは守備の安定感が出てきて、セットプレーからの失点も少なくなりました。夏のトレーニング期間にしっかりと修正してきた成果が出ていると感じます。選手たちが課題を受け入れ、成長してくれたことは大きな収穫です。やりたいサッカーというのは「後出しじゃんけん」のようなものだと思っています。相手が前から来たら背後を狙える、引いてくるならボールを動かして前進する。相手がボールを持つならプレスする、蹴ってくるなら構える。そのように相手の状況に応じて柔軟に変化できるチームを目指してきました。もちろん簡単なことではないですが、そこができるようになれば非常に魅力的なサッカーができると思います。ただ上位に食い込むためには、テクニック・フィジカル・戦術・メンタリティの4つの要素を、もう一段階引き上げる必要があります。どれか一つではなく、すべてです。特に上位チームと対戦したときに、自分たちのサッカーをどれだけ出せるかが課題だと感じています。」

Q)来シーズンに向けて
「今シーズンは、本当に悔しさの残る一年でした。勝てる試合を取り切れなかったり、あと一歩で上位に届かなかったりと、最後まで自分たちの理想と結果がかみ合わない部分も多かったです。ただ、その中でも選手一人ひとりが成長し、チームとしての土台をしっかり築けたシーズンだったと感じています。後半戦に入ってからは守備の安定感が増し、相手に簡単に崩されることが少なくなりました。攻撃面でもボールの動かし方や、相手の狙いに応じて戦い方を変える柔軟さが少しずつ身についてきたと思います。特に、上位チームとの試合で自分たちのサッカーを出し切る力が必要です。練習から止める・蹴るといった基本を徹底し、試合の中でそれをどれだけ発揮できるか、そこに勝負の差が生まれると感じています。そして、濱名、大谷、加藤とチームを支えてきた3人が引退します。彼女たちが残してくれた姿勢や言葉は、若い選手たちの中にしっかり受け継がれていくと思います。次の世代が彼女たちの想いを背負いながら、さらに上を目指すシーズンにしていきたいです。来シーズンは、これまで積み上げてきたものを結果として形にしていく年にしたいと思っています。自分たちの理想とするサッカーを磨きながら、その先にある「昇格」という目標を必ずつかみ取るために、また一から全員で挑戦していきます。」

菅百花


Q)最終戦を振り返って
「本当に悔しい気持ちでいっぱいです。中断明けから「勝つしかない」という状況の中で、勝って入れ替え戦につなげようという強い気持ちで、全員で戦ってきました。しかし、勝利を収めることができず、結果として昇格の目標を絶たれる形になりました。
この試合を含めて、「まだ自分たちは1部にふさわしいチームではない」ということを痛感しましたし、来年に向けて本当にこのままではいけないという思いが強く残りました。
試合前にはチームに「他会場で試合してるチームのことは考えず、自分たちのサッカーを出し切ろう」そして、これまで支えてくれた方々への感謝を忘れず、最後まで全力で戦うことを全員に伝えました。相手の守備が堅いのは分かっていましたが、前半は自分たちのテンポを作れず、ボールを保持しきれない時間が多く球際の部分など、もう一歩上回ることができれば流れも違ったのではないかと思います。後半は追いかける展開になりましたが、失点のあとはよりプレッシャーがかかり、ボールを握ることが難しくなってしまいました。それでも、終盤にかけてはもう時間がないと全員が明確な目的を持ち、ゴール前にボールを入れていく姿勢が出せたのは良かった点です。ただ、可能性を感じる場面は増えたものの、最後のところでやりきることができませんでした。」

Q)キャプテンとして感じたチームの課題と成長
「シーズンを通して感じたことは個々のスキルや質は足りなかったと思います。やりたいサッカーの形を実現するには、個々の技術がもっと必要でした。上位チームは決めきる力を持っていて、そういうチームに比べると、まだ自分たちは精度や強度の面で足りなかったと感じます。ただ、チームとして一丸となって戦う姿勢は間違いなくありました。前線、守備、キーパー、リハビリ組、スタッフまで、クラブ全体で同じ方向を向いて取り組めたと思います。だからこそ、質をさらに高めなければ昇格はつかめないという現実を受け止めました。個人的には、シーズン後半にケガが続き、思うようにパフォーマンスを出せなかったことがすごく悔しいです。キャプテンとしてもっとやれたんじゃないかという思いが残りました。でも、やるべきことをやり続け、ブレずに強度を高めていけば、チームも自分自身もまだまだ成長できると信じています。」
Q)来シーズンに向けて
「1年間、昇格を目標に戦ってきて、結果がついてこなかったのは本当に悔しいです。でも、こうして最後までやり切ったこと、支えてくれた多くの方々と共に戦えることができて良かったです。どんな状況でもぶれずに戦う勇気、ボールを保持し続けるメンタリティ、そしてチーム全員が同じ方向を向くことそういった芯を持てば、必ず結果はついてくると思います。
2年連続で昇格を逃してしまいましたが、「三度目の正直」という気持ちで、悔しさを力に変えて挑みます。来年こそは、「このチームは本当に1部にふさわしい」と言われるような姿を見せたいです。そのために、キャプテンとして、そして一選手として、より強い覚悟を持って進んでいきます。」

大谷琉晏


Q)最終戦を終えての率直な気持ちは?
「限られた出場時間でしたが、ホームでサポーターの皆さんの前でプレーできたことが本当に嬉しかったです。それと同時に、勝利を届けられなかったことが悔しいです。昇格がかかった試合でしたが「最後は全員で勝ち切る」という強い気持ちで臨みました。自分自身も、チャンスが来たら絶対にゴールを決めようという思いでピッチに立ちました。結果は負けてしまいましたが、精一杯たたうことができました。」

Q)出場時のプレーを振り返って
「ベンチから見ていた前半は、相手の勢いや強度に押され、自分たちのサッカーがなかなか出せませんでした。後半は流れを変えようとチーム全体で意識を高め、監督からも「前にボールを運び、せった後のこぼれ球をしっかりマイボールにし攻めよう」と指示を受けてピッチに入りました。」

Q)今シーズンを振り返って感じた課題と、引退に向けての思い
「チームとしても個人としても、今シーズンは「決定力」という課題が常につきまといました。練習からゴール前の質をもっと突き詰めていくことが、結果につながると改めて感じています。なでしこリーグで過ごした日々は、思い描いていたようにいかないことも多かったですが、その中でサッカー選手として、人としても本当に成長できました。本当に感謝しています。これからもなでしこリーグ1部昇格に向けてチームには頑張ってもらいたいです。」