【2023プレナスなでしこリーグ2部 第9節~試合結果~】VS ディアヴォロッソ広島戦

いつもFCふじざくら山梨へご声援頂きまして誠にありがとうございます。
5月28日に行われた2023プレナスなでしこリーグ2部第9節のディアヴォロッソ広島の試合結果をお伝えいたします。

≪2023プレナスなでしこリーグ2部第9節~結果~≫
(45分ハーフ)
FCふじざくら山梨 0-0 ディアヴォロッソ広島
-前半 0-0
-後半 0-0
(得点)

≪スターティングメンバー≫
GK 出口春奈
DF 濱名花子 加村ななみ 高山紗希 中村友香
MF 菅百花 脇田紗弥 田中里穂 金井奈苗 辻野友実子
FW 鈴木和遥

(途中出場)
HT OUT9金井奈苗 → IN4小鍛治旭
84分 OUT14 脇田紗弥 → IN15永木真理子

【今節の振り返り~マッチレポート】

(レポート by 伊藤 千梅/撮影 by 福村 香奈絵

今季のリーグ前半戦最後となる第9節は、梅雨入り前の快晴の中行われました。現在首位を走るチームとの対戦を含めたアウェイでの2戦は、惜しくも勝ち点1の獲得にとどまったFCふじざくら山梨。今節はホームで勝ち点3を積み上げ、皆さまと喜びを分かち合えるよう全力で走り切ります。

本日は、癒しや美、そして食を通じて女性を応援する「女性の皆さんに元気と楽しさを与えるDay」。メイクアートやアクセサリーショップ、身体のケアから、美味しいフードにスイーツまで、山梨・静岡で活躍する方々が集結。日本女子サッカー界では最大規模の22店舗が出店した「ツナガルマルシェ」を開催しました。

このイベントの共催者である、メイクアップアーティストのMihaさんは、山梨大学サッカー部出身。FCふじざくら山梨の選手たちの化粧も手掛け、メイクを用いて女子アスリートのメンタルケアを行っています。
本日のイベントでは、来てくださった方から出店者まで、みんなが元気になるようなものにしたいという思いがあったそう。選手たちへは「試合を思い切り楽しんでほしい」と会場前の広場からエールを送りました。

前座試合には、山梨ダイハツ販売株式会社サポートのもと、ママサカカップの特別エキシビジョンカップを開催。特別ウェアを着用した両チームのママさんたちの闘いは、笑顔を見せながらも白熱したものに。得点シーンには、渡辺監督が思わず拍手。アップ前のFCふじざくら山梨の選手たちも、ママさんたちのプレーに盛り上がりを見せていました。

試合前には、先日のホーム戦でなでしこリーグ通算100試合の出場を果たした菅選手のセレモニーが行われました。サプライズでご家族が登場すると、お父様から花束を贈呈。満面の笑みで受け取った菅選手は、家族全員とグータッチを交わしました。

本日の試合は、徳田選手の古巣であるディアヴォロッソ広島との一戦。FCふじざくら山梨が昇格を逃した、2021年のなでしこリーグ入れ替え戦以来の対戦となります。

強い日差しがグラウンドに差し込む中、キックオフの笛が鳴りました。
前半立ち上がり、立て続けにコーナーキックのピンチを迎えたFCふじざくら山梨。出だしのピンチを防ぐと、それ以降はFCふじざくら山梨が攻勢を強めます。

ボールを相手の背後に蹴り込み、ディフェンスラインを押し下げると、相手のコートでプレーする時間を増やします。
前半11分、前線からのハイプレスで相手のパスミスを誘うと、FW鈴木がボールを奪取。すぐさま攻撃に転じ、最後は田中が遠目からシュートを放ちます。FCふじざくら山梨のファーストシュートは、クロスバーの上を通り過ぎました。

FCふじざくら山梨が徐々に試合をコントロールし始めると、14分にはセンターバック加村がコーナー目掛けて放ったパスに、脇田が反応。そのままサイドをえぐると、横パスを送ります。金井がダイレクトで落としたボールを、菅がショートバウンドでペナルティエリア角からシュート。流れるような攻撃を見せましたが、このシュートは惜しくもゴールの左脇に逸れました。

その数分後、再び加村を起点に、菅、濱名の縦関係で右サイドを崩します。濱名がクロスを上げたものの、中で合わせられず逆に相手のカウンターを食らう展開に。しかしここでは、攻撃をスタートさせた加村がディフェンスでも落ち着いた対応を見せ、相手に前を向かせません。

相手が自陣でボールをもつと、田口ヘッドコーチから「はめろ!」と声掛け。相手のディフェンスラインに対して、アグレッシブに前からプレッシャーをかけさせます。

相手コートでプレーする時間帯が続く中、再び鈴木が相手のビルドアップをカットすると、今度はハーフラインあたりから自らドリブルで持ち込みます。キーパーが飛び出しているのを確認すると、鈴木はロングシュートを選択。しかし得点には至りません。

ボールを保持するものの、決定機を作り出せないFCふじざくら山梨に対して、相手が一瞬の隙をつきます。39分にはスピードのある相手FWに裏へと抜け出され、キーパーと1対1の状況に。出口が股を抜かれたようにも見えた次の瞬間、とっさに足でボールはじき出し、ギリギリのところでピンチを防ぎました。

前半終了間際、両サイドから何度もクロスをあげるものの、跳ね返されてしまうFCふじざくら山梨。相手のディフェンスラインを攻略することができず、無得点のまま前半を終えました。

ハーフタイムではアタッキングの精度について、キーパーから外した位置にクロスを上げるよう指示が入ります。中盤にはスピードのある小鍛冶を投入すると、後半での得点を目指しました。

後半も主導権を握ったのは、FCふじざくら山梨。両サイドバックの2人が積極的にサイドの上下動を繰り返し、攻撃に厚みをもたらします。しかし前半同様、シュートまでいけない場面が続き、自分たちのペースでありながらも苦しい時間が続きます。

こう着状態が続く中、72分。小鍛冶が右サイドにボールを展開。ワンクッション菅を挟むと、サイドを駆け上がってきた濱名へ。ハーフタイムの指示通り、キーパーとディフェンスの間へグラウンダーの鋭いクロスをあげます。ゴール前には脇田が滑り込みますが、あと一歩届きません。

残り15分を切って、いまだ0-0。ゴールまでの糸口が見い出せず攻めあぐねるFCふじざくら山梨に対し、今度は相手が前からプレッシャーをかけてきます。
ビルドアップミスからバイタルエリアでボールを奪われると、速攻でクロスを上げられますが、ここは出口が難なくキャッチ。その数分後、再び自陣でパスがすれ違うと、ボールは相手FWのもとに。スピードで勝る相手に対し、最後は加村がスライディングで相手の決定機を凌ぎます。

後半残り5分で、FW永木を投入。高さをもつ永木を起点に、攻撃の手数を増やしたいFCふじざくら山梨ですが、ゴール前での相手の集中力が高く、堅い守備を崩すことができません。

試合終了間際、相手にフリーキックのチャンスを与えると、ゴール前にボールを放り込まれます。出口が飛び出してパンチングではじくと、カウンターのチャンス。
ラストワンプレーで辻野がドリブルで相手陣地へ運び込み、ペナルティエリアの外から放ったシュートはゴールの右側へ。ボールがラインを割ると、無情にも試合終了のホイッスルが鳴り、リーグ前半戦を締めくくる一戦は、引き分けのまま試合を終えました。

試合後の挨拶では、なかなか言葉が出てこないキャプテン、田中選手。やっとの思いで声を振り絞ると「勝ち切りたかったです」と悔しさをにじませました。その後「自分たちが足りないことを自覚した」と続け、ここからまた勝ち点を得るために練習を積み重ねていくと観客席に向かって伝えました。

挨拶後、何度も頭を下げる選手たちに対し、スタンドからは温かい拍手が送られました。

本日は612名の方にご来場いただき、誠にありがとうございました。勝ち切れない状況が続いていますが、下を向いている暇はありません。自分たちの課題と向き合い、来週こそは勝ち点3を皆さまに届けられるよう準備してまいります。

次節はアウェイ、北海道での開催です。今シーズンのリーグ戦も折り返し。ここから上位へ食い込んでいけるよう、1戦1戦を大切に闘っていきたいと思います。引き続きご声援のほどよろしくお願いいたします。

以下、渡辺海監督、加村ななみ選手、濱名花子選手のコメントになります。

渡辺海監督


Q)試合を振り返って
今日の試合は、見に来てくださった方々をどこまで感動させられたかという部分で、完全に納得することはできていません。自分たちはエンターテイナーとして、勝ちを求めるのはもちろん、勝ち以外の時でも、日頃から応援してくださっている皆さんに満足してもらえるようなゲームをしないといけないと思っています。やっていることは間違っていないので、最終的にデティールの部分をどのように解決するかが課題になっていると思います。そのためには、要求の質をあげていくこと。自分自身、今まで選手たちに漠然と伝えてきたものもあると思います。その要求をよりブラッシュアップし、落とし込んでいくこと。意識の部分への働きかけをアップデートしながら、選手と一緒に成長していくということは、後半巻き返すために必要な部分だと思っています。

Q)来週の試合に向けて
次節のノルディーア北海道は、今節ホーム開幕戦でシュート20発、得点0という結果だったチームとの対戦です。そこに対して自分たちが何をしなければならないかは明確で、1本のシュートの精度を上げるのはもちろん、相手のブロックに対して40発打ち込む覚悟で闘おうと思います。

加村ななみ選手

Q)今日の試合を振り返って
今日は久しぶりのホーム戦で、お客さんもたくさん来てくださっていい雰囲気の中闘うことができました。しかし、自分たちがボールをもってゴール前までいくことは多かったけれど、最後のペナルティエリアの中に入っていく時の質が低く、得点につなげることができなかったという印象です。ディフェンスの部分は、はるさん(出口選手)に助けられたのが大きいです。ピンチもあったので。もっと後ろから声をかけたり、ビルドアップをしたりと、まだまだできる部分はあったと思います。

Q)次の試合に向けて
地元が北海道で、家族とか友達もいっぱい見に来てくれるので、ちょっと特別な気持ちがあります。でも、やることは変わらず。前節ノルディーア北海道に勝てていないので、家族や見に来てくれている人たちに、勝利を届けたいと思います!

Q)サポーターの皆様に一言
いつも温かい応援や歌が苦しいときの力になっています。後半の最後きついときも、拍手があるから走れるし、背中を押してもらっています。リーグ前半は2勝しかできなかったけれど、あと半分あるので、もっとたくさんの試合で皆さんと喜べるように頑張ります。

濱名花子選手

Q)今日の試合を振り返って
最初はバタついたのですが、自分たちでボールを支配できる時間が多くなって、自分たちのペースで攻撃をできる時間が多かったと思います。でも、最後のクロスの質や、ゴールにボールを入れるということが遠かった試合でした。今日は絶対に勝たないといけない試合だったと思うので、すごく悔しいです。

Q)次の試合に向けて
次節は前半戦で今日と同じような内容で、点を取れず苦しんで引き分けになった相手です。最後の質という部分を、この1週間で高めて勝ちたいと思っています。

Q)サポーターの皆様に一言
ホームの試合を重ねるごとに、応援の熱は多くなっていると感じています。その応援は、後半足止まったりするときに力になるなとアウェイ2連戦を通じて感じました。またホーム、アウェイ問わず、SNSや現地で応援してくださると嬉しいです。これからも頑張りますので、よろしくお願いします!